第二章 Lost Heros
銀白VS薄緑
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「まだ逃げるのか・・・・!!」
理樹が追う。
眼前十メートルほどの位置には青龍が計四本の剣を抱えて飛んでいる。
クラウドは来ない。どうやら足止めを食らったようだ。
「どこに・・・まさか・・・」
飛んでいくうちに、理樹はある推測を立てる。
このままいくのはまずいのではないか?
もしかしたらおびき寄せられているのかもしれない・・・・・
この先に罠があったら・・・・
最硬の翼人として、いかなる攻撃も防ぎきる自信はあるし、実際に彼はそれだけの力を有している。
だが、なんといっても相手はあの蒔風だ。
隙を突く、背後から一撃、搦め手、非道、卑怯、なんでも使ってくるだろう。
そんな相手と、理樹はなかなか戦ったことがない。
否、そもそもがただの高校生だった彼に、そんな機会などなかったのだが・・・・
それでも、一癖も二癖もある仲間たちを遊んでいるうちに彼にも騙しなどの耐性はついていたし、この戦いの中で蒔風の手法もだんだんとわかってきた。
その仲間たちはいない、蒔風は敵だ。
「友情」の名を冠する翼人は、すべてを失ってしまうのか・・・・・
そうしていると、青龍が一気に急降下して地表に向かって下りて行った。
それを追って行く理樹。
雲に突っ込み、そこから飛び出したその瞬間
「獄炎弾!!」
「わ!?!?」
ドォウ!!!
地表から離れているにもかかわらず、蒔風の声が聞こえ、理樹めがけてバスケットボールほどの大きさをした球体が飛んできた。
それをスレスレで回避、一気に加速して急降下する理樹の後ろで、獄炎弾が一気に膨れて爆発した。
それは巨大な火球となって雲を飲み込み、その肥大によって理樹を飲み込もうとするが、それよりも早く理樹はその範囲から脱し、地面に降り立つ。
「チ・・・・流石に避けるか」
「舜!!」
そうして降りてきた理樹の前に、蒔風がいた。
すでに四本の剣は鞘に納められ、その右手に青龍刀が握られている。
が、その体はどう見ても満身創痍だ。
もっとも目につくのは、左腕。
力なくだらりと下がり、持ち上げたらそれだけで千切れてしまうのではないかというほどに力ない。
そして良く目を凝らすと、外見こそ傷は目立たないが、体内部に蓄積されたダメージはかなりのもののようだ。
ゴホゴホと咳込んでもいるようだから、内臓へのダメージは確実にある。
いったい、ここまで誰が戦っていたのか。
そして、やられてしまったのか・・・・
「覚悟しろ、理樹・・・・お前を倒すぞ」
「・・・・そんな状態でよくも言えるね・・・
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