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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
銀白VS英雄王
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まるで何もないようなのにどうしてもそこに何かが見えてしまう錯覚。
「いる」のに「いない」この男。生きていながら、死んでいる。


ここまで人間味にあふれ、それでいて人でない彼に、なんとも言えない薄気味悪さを感じていた。




それは形容しがたいもの。

まるで雨上がりに水たまりを見て、そこにどこからか流れてきた油が混ざってオーロラのように見えるかのように。
まるで何色ものスライムを混ぜ、その色が完全に混ざらず、各色が見えているかのように。

そしてそれを見ながら乗り物に酔い、今にも胃液が喉をこみ上げて来そうになりながらも脳味噌をガンガン振られ続けている感じだ。





気色悪い





王として、総てを許容するだけの器を自負するギルガメッシュが、自分は生涯、この男を理解することはないだろうと確信した瞬間だった。




「雑種雑種ってよォ・・・つまりは何かと何かの掛け合わせだろ?それ」

「だからどうした・・・・」

「嫌なに、お前の事を思い出してな・・・・そんなに自分が嫌かい?完全でない自分が?」

「なにを・・・言っているのだ・・・・・」





「そんなに嫌なら死んどけ王様。ハイブリットといえば聞こえはいいけど、そういうお前も半神半人(ざっしゅ)だろう?」





「貴様・・・(オレ)を愚弄するかァ!!!!!天地乖離す(エヌマ)ァ・・・・・・」




ギルガメッシュが激昂し、その剣の名を叫んで振り下ろす。
その瞬間、蒔風が左手から剣を抜き、地面から解き放たれるがもう遅い。




開闢の星(エリシュ)!!!」



ギルガメッシュの右手に握られたそれが、怒りと力のままに蒔風の頭上へと振り下ろされた。





瞬間





全て遠き理想郷(アヴァロン)・・・・・・」





バチィ!!!!




ギルガメッシュのエヌマ・エリシュが蒔風と、その後方だけを避けるかのように割れ、その威力を完全に無効化された。
残ったのは、蒔風が四つん這いになって居る場所の両脇を走る深い溝だけ。



その四つん這いになっている頭の前には、神々しい光りを放つ、エクスカリバーの鞘が浮いていた。



「貴様・・・それは・・・・!!!!」

「所有者を別次元におく事であらゆる攻撃の干渉を防ぐ宝具「全て遠き理想郷(アヴァロン)」・・・・一度発生した貴様のそれを防ぐにはこれしかないからな・・・・」




「おのれ・・・・・・・・・・・・!!!!!!」






ギルガメッシュが更に激昂する。

そうして、再び剣
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