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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
銀白VS英霊U
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スウェーで、しゃがんで、バックステップで
そんな簡単な動きでセイバーの剣を避けていく。


「この剣を見切るか・・・・!!!」

「典型的な西洋剣じゃねえか。ンなもん見切るもくそもねぇよ・・・っと」


ゲシッ、と


蒔風が剣を振るセイバーにケンカキックをかまして後退させる。
その攻撃はあまりにもあっさりと入れられ、セイバーの自信とプライドが揺れた。

彼女は最優のサーヴァントとしてカテゴライズされている。


そんな彼女が、超一級とはいえ暗殺者(アサシン)である彼にこんなにも遅れを取る。


あり得ない。が、それがまた蒔風のありかた。



「オレは真っ向からより背中からブスリが一番得意なんだよ。お前と最初にあった時の模擬戦でもそうだったろ?」

「だったらよぉ・・・・俺なんかの相手はどうだい!!!!」



ボボッ!!と、空気を貫く音がしてランサーの槍が蒔風に放たれる。
その槍はランサーを飛び越えて回避した蒔風の上着を引っ掛け、それを穴だらけにしてしまう。


ランサーの背後にまわり、「天」で突き刺そうとする蒔風だが、それはいとも簡単に止められる。


「チッ」

「どうした?もっとまじめにやれよッ!!!」


死の呪いを持つ槍を、ランサーが振るって蒔風が避ける。

と、そこに叩きこまれる凛の宝石魔術。
その目的は蒔風の気を逸らすことだが、狙いはすべて急所を的確にとらえている。


「今よランサー!!」

「オレァもうちっと楽しみたかったんだがな・・・・」

「そんなこと言ってないでさっさとする!!!」

「わぁったよ・・・っと!!」



背後から迫る宝石魔術に対し、背中に生やした翼で振り返ることもなく防御するが、目の前のランサーの動作に双眸がきつくなる。

槍の先端に魔力が回り、赤くうっすらと光って宝具が発動される。



刺し穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)!」



ドスッ!!という音がして、鮮血が散る。

この宝具は決して派手なものではない。
ほかの英霊が持つ超絶的な武器に比べて、いってしまえば地味な方だ。
だがしかし、その威力はどの宝具よりも遥かに高い。放たれさえしてしまえば、必ず相手の心臓を打ち砕くのだから。


そして



「放てれば・・・・な」


その槍は蒔風の心臓を貫いていなかった。
貫いているのは、蒔風の手の平。しかもそれは槍の突出によるものではなく、蒔風が自ら手を出し、貫かせて握ったものだ。


魔力充填、宝具開放。
ならばすでにこの槍は「心臓に刺さっている」はずだ。槍を「放つ」という行動は、後付けに過ぎない。

しかし、彼は用心のために「ワー
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