第二章 Lost Heros
銀白VS御社&太転依
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見ると、蒔風の手の上にはその液体が圧水で集められてフヨフヨと浮いていた。
「マジ・・・かよ・・・」
「ッ・・・ハ!!!」
そうして、蒔風がまるで指揮者かのように指を振るい、その液体が細い鞭のようになって襲いかかって行った。
「うオォっ!!!」
「キャぁッ!!」
「・・・・」
各々がその鞭を回避して行く。
しかし、そんな物を回避しきるほどの体力などないし、そもそもキョンは裕理を抱えてその背後には梨花がいるために動くことができない。
その足を鞭が通過して行って、ジュワッ!!という音を立ててその皮を爛れさせる。
その鞭は液体ゆえに触れたところで通過して行くだけだ。
だがそれは蒔風の動き次第。
当たった時に腕を引けば肉が爆ぜ、振りきれば通過して融かされるだけ。
キョンの足がガクガクと揺れ、次第に肩、頬、脇腹と鞭が掠めていってその傷が増えていく。
無論、ましろや羽入はもちろん、長門もそちらに向かおうとする。
しかしその瞬間、どういうふうに踏みつけているのか、蒔風が地面を踏むとその行く先に畳返しの壁が立ちふさがって邪魔をする。
その妨害に、ましろが蒔風に向かってその攻撃をやめさせようと走って行った。
その間にも蒔風はキョンに攻撃をやめない。
ましろが迫ってきているのがわかっていながらもそちらに一瞥することもなく圧水をコントロールしているのだ。
「もう・・・やめてください!!!」
そうして、ましろの槌が振るわれる。
どうせ避けられる。だから、最初から顔面ではなく腹部を狙った。
にもかかわらず
「ぐッ・・・・」
「え!?」
その槌は命中した。
蒔風の腹にメキメキとめり込んだ。
そして
「バはッ!!」
「!?キャアっ!!!」
蒔風が吐血する。ましろに向かって。
その血流がましろの顔面にバシャッ!とかかって視界を封じ直後、ましろの心臓部を絶光尖が貫いて彼女をカードに変えた。
「ましろさん!!」
「ましろォ!!!」
「さて・・・囮ごくろう」
そして、ガポンと
キョンの頭部を圧水――肉を溶かすほどの強酸性の液体が包み込み、彼の身体が消えていった。
同時に、裕理の身体が地面に崩れ、キョンを包んだ液体がそのまま口から滑りこんで弾けた。
その攻撃に、当然裕理も消える。
それらの事態に、羽入が梨花を連れて逃げようと彼女の方へと走り出していた。
長門もそれに続いて彼女を守るかのように蒔風に立ちふさがった。
長門
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