第二章 Lost Heros
銀白VS御社&太転依
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それを見て驚愕する羽入だが、それでも力を込めて振りきろうとする。
「くっ・・・このぉ・・・・!!!!」
しかし、その刃は更に一ミリ進んで完全に止まった。これ以上の力を羽入が出せるわけもないし、そもそもこの神域結界が限界だ。
羽入が剣を引き、蒔風から離れてその結界が切れる。
瞬間、ブシュッ!という音を立てて蒔風の首から血が流れ出し、その痛みに首を押さえて歯軋りする。
「テメェ・・・・・」
「ハァッ!!」
ドッ・・・スン!!!
と、蒔風の真横からましろの槌が襲いかかる。
血をぼたぼたと流しながら、それを回避する蒔風。
現状、裕理はあの一撃での反動疲労で梨花のそばにいるようだが、この二人だけでもキツそうな表情をする蒔風。
と、更にそこに
ブンッ・・・ドゴッ!!!!
「ガッはぁっ!?」
「・・・・目標の耐久力、53%に低下」
長門の拳による重い一撃が、脇腹にめり込んだ。
彼女のその動きはまるで達人のそれだ。
おそらくはその体に情報をインストールしての動きだろう。
そう言う場合、身体の経験が追いつかないものだが、彼女の場合はそれを容易に越えてきていた。
蒔風の身体が吹き飛び、大木に衝突してその木がメキメキと横に倒れた。
「退くぞ!!」
「キョンさん!!!」
と、そこでキョンが裕理を肩に抱え、梨花をその後ろに隠すようにして出てきた。
「こっちにも負傷者が多いんだ。オレらがこれ以上がんばる必要はない!!」
キョンの言う事は確かだ。
だが、ここまで弱らせたのに追い打ちをかけなくともよいのかという思いもある。
「ダメだ・・・キョン、ここで斃さないと・・・!!!」
「なんでオレらがそこまでやらなきゃならんのだ。この状況でまた何人かやられてみろ・・・プラマイゼロだろうが!!」
そうしていると、蒔風を見張るかのように立っていた長門がバックステップでましろの横まで下がってきた。
その右手は何か液体がかかっており、シュウシュウと音を立てて融けていた。
「これは!?」
「強酸性の液体」
そう痛みに顔を変えることもなく長門が淡々と言って手を修復する。
立ち上がった蒔風が手にしているのは、一本の小瓶だ。
おそらくは長門の手を溶かした液体はその中に入っていたのだろう。
そして、蒔風がさらに懐に手を突っ込みその小瓶を十本ほど取り出して、蓋を開けて宙に放った。
ガラス瓶がカランだったりカシャンだったりの音を立てて地面に落ちるが、液体が落ちた音はしない。
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