暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
ケッコン協奏曲 〜赤城〜
4-β.キミだけのヤル気スイッチ
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に……なり……ま……

――ぱこんっ

 私が観念し、青葉さんとの将来を決意して、唇にその瞬間が訪れるのを半分恐怖、半分ドキドキで待っていたその直後、こんな軽い音が鳴り……

「う……きょ、恐縮……」
「あお……ば……さん?」
「……です」

 唇が触れる寸前まで来ていた青葉さんが、私の上でぐしゃりと崩れ落ちた。その青葉さんの体温が心地よくて……いやいや、私はそんな妙なことを考えず、力が抜けて完全に私の上で気を失っている青葉さんの身体を抱きしめて……あ、いや、抱きしめてなんてなくて、私を見下ろしている、四人の影に目をやった。

「お前たち……なにやっとるの女同士で……」

 そこには、ロドニーさんと戦艦棲姫さん、大淀さん、そして……

「提督……」
「まったく……しっかりしなさいよ……」

 私達が待ち望んでいた、我らが提督がいた。

「提督!」
「どうしたの赤城……」

 ああ……提督だ。今度こそ本当の提督だ……胸に安堵が広がっていく……この男に対し、ここまでの安心を感じたことが、今まであっただろうか……

「はぁ……このロドニーと死闘を演じたお前が、アオバごときに遅れを取るとは情けない……」

 さやに入ったままの剣を片手に、ロドニーさんがそう言いながらため息をついていた。なんとでも言ってください。はっきり言って、今日の青葉さんはあなたよりも強敵でした。それよりも……。

「提督」
「ん?」
「待ちわびていました……あなたを……」
「あそ。……それよりもさ。鎮守府、なんかおかしなことになってない?」
「そんなことよりも……提督」
「ん? うるうるしちゃってどうしたのよ? 青葉がそんなに怖かったの?」

 恐ろしかった……青葉さんのあの強引さに、私は落とされそうになりました……でも提督……この赤城、最後まで貞操は死守しましたよ。

「怖かった……」
「そうなの? 泣く子も黙る一航戦がめずらし」
「…… でも、あなたが来てくれたました」
「そらぁ仕事が終われば帰ってくるよ」
「私は……あなたに守られるために、生まれてきたのかもしれません……」
「お前さん、俺のこと『目が死んでる』とかいって煙たそうな顔してたじゃないの。どうしたのよ突然……」

 すみません提督……私は今まで、あなたに失礼なことばかり言ってきました……でも、でも今日からは違います。私は、あなたのことを……

「提督……?」
「ん?」
「私は、あなたのことを……愛しています」

 ……言ってしまった。すぐそばに大淀さんがいるにもかかわらず……私は、もう我慢することが出来なかった。提督、私はあなたを愛しています。だから私の……私だけの提督になってください。そして、できるなら、私とケッコ……


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