ケッコン協奏曲 〜赤城〜
4-β.キミだけのヤル気スイッチ
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るICレコーダーはこわれたらしく、堕ちた瞬間の『しらんけど』のセリフ再生の後、完全に電源が落ちた。青葉さんの右手の指先が、さっきから私の耳にちょんちょんと触れる。さ、触るならもっとちゃんと触って……ほし……くなんか……ないッ!!!
「はわぁッ……!?」
「?」
青葉さんの左手の指が私の右耳を挟み込んだその途端、私の両足と腰に力が入らなくなった。本当にストンという感じで腰が落ち、私はその場にへたり込んでしまう。ダメだ立ち上がれない……足に力が入らない……恐怖で身体が震えてくる……あ、でもこわいだけじゃなくて……ちょっと……ドキドキ……
「恐縮です」
「はわわわわわわわ……」
……してませんッ!! ドキドキなんかしてませんからッ!! この赤城、何も期待なんかしてませんからッ!!! 『強引に迫られるのもなんだか新鮮でドキドキしてちょっとうれしいかも』とか思ってませんからッ!!!
「やっと、青葉の気持ちを受け止めてくれる決心がついたんですね?」
「い、いや……はわわわわわわわわわ……」
「恐縮です……」
待ってください待ってください!! うるうるした眼差しでこちらを見つめないでください!! 顔を近づけないでください私の唇にロックオンしないでくださいぃぃいいい!!?
「青葉は……赤城さんのすべてを……愛しています……」
お願いだから顔近づけないで青葉さぁぁあああん!! いやぁぁああ!!? 青葉さんの吐息が私の顔をくすぐってる……!! あ、でも青葉さんからいい匂いが……いやいやいや!!!
「天龍二世……さんッ!! たす……け……!?」
最後の望み……!! 私は唯一自由に動けるはずの天龍二世さんに助けを求めたが……
「フッ……コワイカ?」
「なぜ今イケメンボイスで……!!?」
天龍二世さんは、床についた私の左手にもたれかかり、イケメンな表情で私に振り返っていた。まるで、一夜を共にしたあとのような……いやいや何考えてるんですか私!!?
「い、いやぁぁあああ!!?」
「青葉は……」
「……!?」
「あなたを、大切にします」
急に身体がふわっとして、幸せな気持ちが胸いっぱいに広がった。あれ!? 今、私なんて思ったんですか!? なんで『この人に身を委ねよう』なんて思っちゃったんですか!!?
「赤城さん……」
「あ、青葉……さん……」
「愛しています……恐縮です……」
「……ああっ」
うう……ダメだ……もうダメだ……私の心が、青葉さんを求め始めている……私の髪が、ほっぺたが……体全体が、青葉さんに触れて欲しがってる……もうダメだ……抵抗できません……目、勝手に閉じちゃってるし……
「……」
「……」
一航戦・赤城……青葉さんと……夫婦
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