第7章 聖戦
第164話 虚無と五路侵攻
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正しい。其の中には当然、始祖ブリミルすら含まれている。それぐらい、今回の虚無の担い手が四人同時に、世界に登場する事態が極端に不自然な状況だと考えて居る、……と言う事。
もっとも、その事に関して俺が疑問や考えを口にした瞬間、過去に虚無の担い手が現われた証拠がでっち上げられる可能性もゼロではないのだが。
まぁ、何にしてもゲルマニアの意図は分かった。いや、アルブレヒトの意図はゲルマニア王家に箔を付けるぐらいの意図しかない、……と思う。少なくとも、ハルケギニアの数ある王家の中でゲルマニアは一段下の扱いを受けて居たのは事実。この部分をどうにかして、最終的にはゲルマニアがこの世界で覇権を握る……程度の野心だと思う。
おそらくそれは地球に見立てた風船を使い遊ぶ独裁者の如き代物。其処にどれだけ多くの人が暮らして居るのかを想像していないレベルの。
ゲルマニアの意図。それは完璧なガリア包囲網を築く事。現状、すべての虚無と、潜在的な人類の敵……エルフに囲まれる事により、ガリアは四面楚歌状態に追い込まれている。
おそらく後は合従策の基本に則り、ゲルマニアが侵攻して来た後に、次はロマリア、そしてアルビオンと言う、小規模の侵攻を何度も行っては兵を退くと言う、非常に基本的な戦術で徐々にガリアの弱体化を図る心算なのでしょう。
確かに五路から同時に侵攻されると幾らガリアの国力があったとしても厳しい。ただ、そうかと言って合従策の対抗として連衡策を行うにも、相手は信仰により結束した連中。それを仕掛けて来たゲルマニアとロマリアのトップの意図は領土や信者の獲得と言う、非常に分かり易い欲に塗れた目的であったとしても、その直ぐ下からは信仰心と言う強固……ある種の狂気により束ねられた連合なので、この形をどうやって切り崩して良いのか分からない。
まして遠交近攻と言っても、もし、ゲルマニアが地球世界のドイツなどではなくロシアなら、ガリアから見てゲルマニアの向こう側の国は既に東洋に分類される国。エルフが地球世界のオスマン帝国と≒で繋ぐ事が出来るのなら、その向こう側も間違いなく東洋。
スカンジナビア半島にも地球世界ならばノルマン人の国があったはずなのですが、このハルケギニアには……。
……やれやれ、頭のイタイ状況だな。流石にプレステ・ジョアンの国はない、か。そう考える俺。一応、ある程度の策は施してあるのだが、それが確実に効果を発揮しているのかどうかは今のトコロ分からない。
ならば次は……。
トリステインが何故アルビオンに敗れたのか……か。もっとも、この部分に関して言うのなら、端からトリステインがアルビオンに勝つ道理がなかった、が正しい認識だと思うのだが。
確かに、一度攻め寄せて来たアルビオン軍を撃退出来た。しかし、それはそれ。逆に相手
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