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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第164話 虚無と五路侵攻
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ルケギニアでは既に起きて居ると言う事か。
 嘆息混じりにそう考える俺。対ガリアと言う面から考えると、これはフランス革命直後にヨーロッパ各国の間で結ばれた対仏大同盟に当たるのかも知れないな。

 これが地球世界の歴史の歪なパロディ化から発生した物ならば。
 少しの自嘲を伴いながら、そう考える俺。もし、もう少し前世の記憶が復活するのが早かったのなら、今よりも少しはマシな状況にも出来ていたとも思うのだが……。

 もっとも、前世ではこの事態が起きるのを防ぐ意味から、シャルロットやティファニア、それにカトレアやルイズを俺の元に集めて虚無に魅入られるのを防いだ心算だった……のだが。
 ただ、其処までの準備を行ったのだが、同じような境遇の人間をこの事件の背後に居る邪神の手に因ってでっち上げられた挙句、結果、聖地での戦闘が起こされて仕舞った。
 そして聖地に集められた四人の担い手と使い魔によって……。
 結局、どう足掻いても聖戦自体は避けられないのか。あの時、そう絶望に近い感情を抱いたのは確かに覚えている。

 ただそれならば――

「ティターニア、それに湖の乙女」

 未だ間に合うか。せめて十二月(ウィンの月)の初めに今の知識を有して居たのなら、……前世の記憶を思い出して居たのなら、これから行う策に関して、もう少し効果が見られたかも知れないのだが……。
 少しの陰気に染まりながらも、それでも何も手を打たないよりはマシ。それに、これは今までやって来た策謀の延長線上に在る事なので、まったく効果がないとも思えない。
 ……と、そう考える俺。いや、これはそう思い込もうとしている、と言った方が良いかも知れない。

「夢の世界に干渉して――」

 如何なる者にも誘惑されぬように気を付けよ。何故なら、多くの者が私の名を語りて現われ出で、……と流して欲しい。
 俺の依頼に小さく首肯く湖の乙女とティターニア。そして、

「故に、もし何者かがあなたに、ブリミルがここに居る、ブリミルがあそこに居る、などと告げたなら、それを絶対に信じてはなりません」

 ……そう言う事ですね。ティターニアが俺の言葉の先を続けた。
 そう、これはマタイの福音書。アチコチにブリミルの後継者が現われたのなら、そのすべてが本物とは限らない。盲目的にそいつ等の言葉を信用するな、……穏当に言えばそう言う戒め(いましめ)を、夢を通じてあらゆる階層の人間に伝える。
 そう言う事。
 信用するか、それともしないのか。その辺りについては夢を見た個人に委ねられるが、それでもやらないよりはやった方が良い。
 夢を見た人々がほんの少しでも、その四人の虚無の担い手に対して疑念を抱いてくれれば、奴らの持っている、集めている信仰の力に陰りを生じさせる事が出来るはず。
 信仰や
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