第7章 聖戦
第164話 虚無と五路侵攻
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ニア女王に因り救い出され、そのままトリステイン……ゲルマニアに支配されたトリステインへと送り返された」
そう言う発表が新しいトリステインの支配者となった貴族たちから為されたよ。……と、タバサに続きイザベラに因る追加の説明。
人間兵器。確かにそう言う見方が出来るかも知れないな。そう、妙な部分で納得する俺。確かに、伝説の魔法虚無を操る貴重な人材を危険な前線に投入する事に対する反発はあって当然か。
それに……。
成るほどね。確かにガリアにはサリカ法が存在するが、最初にアンリエッタが女王に成った段階でトリステインにはそのような法はない、と考える方が妥当か。
……と言うか、おそらくサリカ法のように女系に因る王位継承を禁止する法律がない以上、女王が誕生する事を妨げる事は出来ない式の解釈で、最初にアンリエッタ女王が誕生した可能性すら存在する……と思う。少なくとも、中世ヨーロッパの人間の思考で、女王が登場する事をすんなりと受け入れられる人間ばかりだとは思えないから。
ならばアンリエッタが女王に成れるのなら、救国の英雄で、伝説の魔法虚無の担い手が女王に成れない謂れはない。
ただ……、そうやって少し考える方向を切り替える俺。重要なのは其方ではなく、これから先の部分。トリステインを治めている人間の正統性など今のガリアに取って重要ではない。
ただ、この状況は――
……ガリアの虚無、タバサの妹はアルザス侯シャルルの元に。
アルビオンにはティファニアが。彼女も虚無に魅入られた一人。
そして前世の記憶が確かなら、ロマリアの教皇も虚無。前世ではコイツが諸悪の根源だった。少なくとも聖戦が起きるのを画策し、ゲルマニアを焚き付け、アルビオン、更に言うとガリアの王と王弟との争いもロマリアの策謀に因る物だったと記憶している。
そう言えば、ゲルマニアが自国の皇太子ヴィルヘルムとトリステインの女王アンリエッタとの婚約を交わした理由は確か、自国の王家に始祖の血脈を取り入れる為。
但し、そんな小さな物をゲルマニアが望むとは思えない。そして、上手い具合に虚無に魅入られたルイズがトリステインの王位に就く状況が出来上がった。
いや、違うか。そう考え掛けて小さく首を横に振る俺。
邪魔なアンリエッタ。清教徒革命で死亡したアルビオンの皇太子のお古が消えて、ルイズがトリステインの王位に就く状況を作り上げる事が出来た。
こう考える方が妥当。
それにルイズを手に入れる方が暗黒の皇太子ヴィルヘルムの目的にも合致する……と思う。
成るほど――
「つまり、虚無に因るガリア包囲網を完成させた。そう言う事か」
成るほどね。地球世界の少し未来で起きるかと思われた事態がハ
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