噂と悪魔
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難しい。
──やるしか無いのか…、他に手なんて…。
そう考えていると、目の前に大鎌が振り落とされた。
「アキ君!」
「…っ!?」
俺はアスナの声で反応し、何とか避けた。
「アキ君。」
「!?、ヒースクリフさん。」
大鎌から避けた俺の隣に、血盟騎士団の団長であるヒースクリフさんがいた。
「私達は1度ここから退避する、大鎌は私も予想外だった。それで君に…」
「時間稼ぎ…ですね。」
「そうだな、だが君なら1人で倒してしまうのでは無いかな?」
「何でもお見通しという訳ですか…。」
「これでも一応ギルド団長だよ、だがいくら君でも1人で時間稼ぎは悪い。私も時間稼ぎをしよう。」
「…ギルドメンバーはいいんですか?」
「無論、副団長の彼に任せてある。」
「分かりました、俺のスピードに着いてきてくださいよ?」
「私もなめられたものだね、いいだろう。」
その会話を最後に、俺は左手で握っていた剣を鞘に戻しボスへ走る。
俺とヒースクリフさんの動きに驚いたのか、逃げていたはずの攻略メンバーが戦闘に目を向ける。
──こんな所でバレるなんてね…。
俺は走りながら右手でウィンドウを操作し、ある装備のボタンに触れ装備を変えた。
真っ黒で白のラインがありフード付きのコート、そして赤髪に白色のマフラー。
その装備は、今この世界で噂されている"紅の死神"の装備。
「く、紅の死神…!?」
「び、ビーターが紅の死神なのかよ…!」
「彼はビーターじゃないわ!でも、アキ君どうして…。」
「アキ…。」
そんな声が聞こえるはずもなく、俺は鞘から勢いよく剣を抜きボスに切りかかる。
俺がダメージを与え、動くとヒースクリフさんがスイッチ同様の動きで敵にダメージを与えていく。
半分だったHPも残りわずかまで来ていた。
「流石は、紅の死神と呼ばれる君だ。」
「…どうも。」
「だが君は、まだ本気を出していないでは?」
「さぁ、それはどうでしょう。」
「そうか、やはり君は面白い。」
戦闘中にこんな会話をする人が他にいるだろうか。
グルルルル…!
残りわずかのHPに反応したのか、ボスは唸った。
──これで終わりだ。
俺は剣を左手から右手に持ち替え、空いた左手は後ろに回し腰の位置へ、剣を握っている右手は胸の前まで引き寄せる。
ここではない、向こうの世界で昔…誰かに教わった剣術。
名前は忘れてしまったけど何故か剣を握ったら、この構えをしろと言われている気がした。
そして、その構えのまま走るスピードを加速させボスの足下に近寄りソードスキルを発動させた。
片手剣上位ソードス
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