ガンダムW
1642話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
出来る筈もない。
あるいは、強引に手を外させる……という手段もあるのだが、それが出来るかどうかと言われれば、こちらもまた微妙。
ガンダムのパイロットとして相応の訓練を受けているデュオだったが、それでも凛に敵う筈がない。
お互いの実力の上下という意味では、既に生身の訓練で何度となく負けた事もあって、しっかりとその身体に染みついていた。
結果として、デュオは凛に引っ張られる。
「私の男を見る目がどうこうって言ってたけど、その辺を詳しく聞かせて貰えると助かるわね。是非ともこれからの参考にしたいから」
「あ、嘘。ごめん。何でもないって。いやいや、痛い。痛いから、耳から手を離してくれよ。な? 頼むって。……アクセル! 何とかしてくれよ!」
耳を引っ張られたまま部屋を出て行こうとしているデュオが助けを求めてくるが……
「そう言われてもな。俺は男を見る目のない凛が選んだ男だからな。どうしても今助ける気にはならないな」
「くそっ、こいつ根に持ってやがる! 覚えてろよー!」
その言葉を最後に、凛に引っ張られたデュオは部屋の外へと連れていかれ……扉が閉まる。
……うん、見事なまでの負け犬の遠吠えだったな。
「えっと、その……アクセルさん、デュオと凛さんを放って置いていいんですか?」
ヒルデは正式にシャドウミラーに所属する事になったからか、俺に対する口の利き方が丁寧なものになっていた。
俺としては、公の場で気をつけてくれれば特に気にしたりしないんだけどな。
それがやりやすいのなら、それ以上の無茶は口にしないが。
「ああ、気にするな。シャドウミラーではよくある事だからな。ああ見えて、あの2人もそれなりに楽しんでるんだよ」
「えっと……楽しんでるんですか? 本当に?」
「ああ。ああいうのも、あの2人のコミュニケーションなんだよ。……多分」
最後だけポツリと小さく呟いたが、ヒルデにはどうやらその辺りは聞こえなかったらしい。
このままあの2人について話されても面倒だし、話題を変えるか。
「そう言えば、シルビアはどうしたんだ? 一緒に凛の授業を受けてたんじゃないか?」
「え? ああ、はい。彼女はサリィさんが用事があるとかで呼びに来てましたけど」
「ふーん……だとすれば、連合軍の関係だろうな」
「その辺は分かりませんが……」
サリィとシルビアの2人は、連合軍から派遣されているメンバーだ。
そう考えると、直接話をせずに呼びに来たのは間違いなくそちらの関係だろう。
もっとも、俺達にお呼びが掛からないところを考えると、そこまで重要な用件ではないんだろうが。
「それで、どうだ? 事務員としてやっていけそうか?」
「えっと……凛さんに教えて貰いながらなら、何とか……」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ