ガンダムW
1642話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ーに宛がわれている部屋……全員が集まるという意味では、リビングルームに近い――MS輸送機と違って家具とかは既製品だが――部屋の中で呟くと、丁度入ってきたデュオがその言葉を耳にしたのか、尋ねてくる。
「いや、地球に戻ったらハワードに会いに行こうと思ってな。ちょっと頼みたい事もあるし」
「おいおい、ハワードに何か妙な事をさせるつもりはないよな?」
「妙……って訳じゃないな。それより、凛の勉強会に顔を出してすぐに逃げ出したって話を聞いたが?」
「……何でアクセルまで知ってるんだよ」
話を変えようとした俺の意図に気が付かなかったのか、それとも気が付いて話に乗ってきたのか。
そのどちらかは分からなかったが、それでも話に乗ってきてくれるのであれば、こちらとしてはありがたい。
「凛が通信でデュオがいないか聞いてきたからな」
「うげぇ!?」
デュオが苦いものでも食ったかのように、顔を顰める。
まぁ、気持ちは分からないでもない。今まで、何度となくデュオは凛によって玩具にされてるのだから。
ましてや、今はデュオにとっても憎からず思うヒルデがシャドウミラーにはいる。
男として、自分の格好悪いところをヒルデに見せたいとは思わないだろう。
「そもそも、何で顔を出そうと思ったんだ? 凛がいるって分かってたんだろ? ましてや、デュオは書類仕事とか、そんなに好きじゃないだろうし」
「あー……いや、ヒルデが凛に妙なちょっかいを出されるんじゃないかと思ってな」
「へぇ。どんなちょっかいなのかしら? 良かったら聞かせて貰える?」
「そりゃあ、勿論男を見る……目……の……」
最後まで口に出すことなく、デュオの動きが止まる。
そして、ギギギという音がしそうな様子で声の聞こえてきた方……後ろを向くと、そこにいたのは満面の笑みを浮かべている凛。
ただ、その目には笑みではなくいぢめっ子としての光が宿っていた。
そして凛の後ろには、どう反応したらいいのか分からない様子のヒルデの姿。
……つくづくタイミングが悪いよな。
いや、そのタイミングで聞いた俺にも色々と問題はあったんだろうが。
「ねーえ、デュオ? ちょーっとお話ししましょうか?」
「あー……いや、悪い。俺、実は機体の整備が……」
「ないわよね?」
デュオに最後まで言わせず、満面の笑み……それこそネズミをいたぶる猫のような満面の笑みを浮かべて、そう尋ねる。
何とかこの場を離脱しようとするデュオだったが、凛がそんな事を許す筈もない。
そっと伸ばされた手が、デュオの耳を掴む。
この時点でチェックメイトと言ってもいいだろう。
今の状況から抜け出すには、それこそ耳を失う覚悟をする必要がある。
だが、この程度の事で耳を失うような覚悟など
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ