第3章:再会、繋がる絆
閑話9「恋」
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「余計な事を言わない。...ね?」
「い、いえす...。」
笑顔で言う司に、アリシアもさすがにからかうのはやめようと思った。
「何か分からないが、アリシアが悪いというのは分かった。」
「なんで!?」
「いや、だってあの司が怒るなんて前世含めてそこまで見た事ないし。...まぁとりあえず、司も奏も落ち着け。アリシアが何を言おうとしたかは分からんが、ここで武器は出すな。」
「ぁ...うん。ごめん。」
優輝に咎められ、司と奏は出していたものを仕舞う。
その際に司の顔が少し紅潮していたが、さすがにアリシアも気づいても指摘しなかった。
「それで、結局なんの話をしてたんだ?」
「えっと....。」
「アリシアが魅了が解けてから優輝と接するのを悩んでたみたいなのよ。」
「あ、ちょっ、椿!?」
言い淀むアリシアの代わりに、椿があっさりと暴露する。
「なんだ。そんな事か。...ま、悩むぐらい後悔とかしてるなら、それで充分さ。別に気にしなくてもいいぞ。アリシアも被害者になるんだからな。」
「ぁ....う、うん...。ご、ごめんね...?」
「必要以上に責任を感じるのは皆同じだな...。」
納得しても、つい謝ってしまうアリシアに、優輝はそう言って苦笑いする。
「くぅ...優輝は久遠の事...好き?」
「えっ?」
「あ、く、久遠!?」
先程の話から少し気になっていたのか、久遠は優輝に尋ねる。
その問いに、優輝がどういう事なのかと驚き、アリシアは慌てる。
「好きかどうかで聞かれれば...僕は久遠の事は好きだぞ?どうしたんだいきなりそんな事を聞いて。」
「くぅ、アリシアが皆に優輝が好きか聞いてた。」
「またアリシアか...。」
「あれ、私ってもうそんな扱いになってるの?」
まるで“大体アリシアのせい”のような風潮になっている事に、アリシアは戸惑う。
「......ふと気になったけど、優輝君って恋した事あるの?前世も含めて。」
「あ、それあたしも気になるなぁ。」
「恋バナか...男の僕にはあまり話すネタはないぞ...?」
恋愛関連の話が出た所から、優輝は恋バナの類だと悟る。
とりあえず、司から受けた質問に答えようと、優輝は記憶を漁る。
「前世に....初恋はあったかな。いつの間にか冷めてたけど。」
「えっ...。」
「ええっ!?」
“恋した事がある”という優輝に、全員が驚愕の声を上げる。
「...いや、僕だって恋するからな?前々世に至っては、シュネーの事を愛してたんだから。...と言っても、ムートと僕はもう別人扱いだからカウントしないが。」
「そ、そ
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