第3章:再会、繋がる絆
閑話9「恋」
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ような話題を出し、仕切るような真似をしているのか。
疑問に思った椿がアリシアに聞く。
「...私自身、どう接するかで悩んでいるからだよ。」
「まさか、今までの話題はこの話のために...?」
「...うん。」
誰よりも自分自身が悩んでいたためにこの話し合いを開いたというアリシアに、椿と葵以外の皆が驚きに目を見開く。
椿と葵は、むしろ“なるほど”と言った納得が大きかった。
「今まで魅了されて、敵視してたからどうすればいいか悩んでいる訳ね。」
「....うん...。」
いつもの明るさが消え失せた様子で、アリシアは頷く。
それを見て、椿は溜め息を吐く。
「全く...そんな事で悩んでいたのね。」
「そんな事って...。」
「優輝は気にしていないわ。気にしているのなら、きっちり謝っておけば、それでいいのよ。アリサとすずかも、罪悪感を感じていたけど今はもう大丈夫よ。」
それでも気にするのなら、後は時間が解決してくれるだろう。
そう説明する椿に、アリシアも少しは気が楽になったようだ。
「そっか...よし...うん!もう大丈夫!」
「切り替えの早さはさすがね。それでいいのよ。」
頬を叩いて気持ちを切り替えるアリシアに、椿は満足そうに頷く。
「じゃあ、改めて....皆は優輝にどう接して...。」
「僕がどうしたって?」
「.....え?」
改めて皆に聞こうとして、背後から掛けられた声にアリシアは固まる。
対面にいたアリサとすずかは、そのアリシアの背後を見て驚いていた。
「ゆ、優輝!?いつの間に!?」
「いや、翠屋の手伝いが一段落ついたから適当に散歩をってな。皆もいないし、久遠にでも会おうとここに来たら皆がいたって訳。」
「話に集中してて気配に気づかなかったみたいだねー。」
一応椿が人払いの術を使っていたが、霊力がある優輝には無意味だったようだ。
「優輝ー。」
「よーし、久遠。大福持ってきたぞ。」
「ありがとう。」
優輝に抱き着く久遠に、優輝は持ってきておいた大福をあげる。
その様子はまるっきり兄妹だが、二人にそういう自覚はない。
「.......。」
「.....。」
それを見て、司と奏はどこかそわそわする。
そんな二人の様子に、アリサ達は二人の気持ちを察するが敢えて口には出さない。
「あれ?もしかして二人も抱き着きたぁあっ!?」
「ちょっ、二人ともいきなりどうした!?」
...なぜなら、二人の琴線に触れると分かっていたからだ。
それにも関わらず、からかおうとしたアリシアは、当然のようにシュラインの柄とハンドソニックを当てられそうになる。
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