第3章:再会、繋がる絆
閑話9「恋」
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ない”っていうのは良い事でもあるけど、同時に短所でもあるよねー。」
“ねー”と葵とアリシアが苦笑いしながら同調する。
擁護のしようがないので、司や奏達も苦笑い気味だった。
「でも、そういう所も好きなんでしょ?」
「ぅ.....うん....。」
「......。」
「し、心配なだけよ!」
「あはは、そうだねー。」
アリシアの言葉に、司は顔を紅潮しながらも肯定、奏も顔を紅潮させ、俯く。
椿は素直に認めず、言い訳染みた事を言い、葵はあっさりと肯定した。
「...でも、考えてみれば優輝って結構心が弱いわよ。」
「え?あんなに諦め悪いのに?」
「......。」
椿の言葉にアリシアがそう返し、葵は少し憂いを帯びた表情をする。
「...緋雪が死んだ時、一番傷ついていたのよ。優輝は。」
「...大切な妹が死んだんだもんね...。」
結局、あの時は緋雪が遺したメッセージのおかげで立ち直ったため、自分たちでは心を癒してあげれなかった事を椿と葵は悔やんでいた。
「諦めが悪いからこそ、それでも助けれなかった時、優輝は人一倍悔やむのよ。」
「...そういえば、入院時にお見舞いに行った時、当時は気づいてなかったけど、優輝君の表情に一切元気がなかったような...。」
「後悔して、自分を追い詰めていた時期ね。...見ていて、痛々しかったわ...。」
それほどまでに、心に負った傷は大きかったのだと、改めて実感する。
「...そういえば、前世で司さん...聖司さんの話を聞いていた時も、とても悔やんでいたわ...。それまで知っていた優輝さんと違って、弱々しかったわ...。」
「....優輝にも、弱い所はあるんだね...。」
場が暗い雰囲気となってしまう。
それに気づいたアリシアが、払拭しようと手を叩き、話を変える。
「暗い雰囲気はおしまい!優輝の欠点と弱い所が浮き彫りになったんだから、今後は私たちで支えて行けばいいでしょ?」
「...そうだね。優ちゃんだってまだ子供だから。一人ではできない事もある。なら、あたし達でそれを補わなくちゃね。」
「優輝さんって前世じゃ成人してたんじゃ....。それに、この場で子供じゃないのは椿さんと葵さんだけ...。」
「それは言っちゃダメだよー。」
実際、奏も司も前世では成人せずに死んでしまったため、椿と葵以外は全員子供である。
その事を指摘され、葵は苦笑いする。
「さて...優輝について分かったけど、今のを経て皆は優輝とどう接していきたい?」
「どう...って言われても...。」
「それにしても、どうしてアリシアはこんな話し合いを?」
なぜアリシアがこの
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