第3章:再会、繋がる絆
閑話9「恋」
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「へぇー...。」
「くぅ....。」
椿の説明に感心するアリシアとは対照的に、久遠は暗い顔をする。
「...久遠のためにもどんな過去だったかは言わないわ。でも、愛した人物が存在した事は確かよ。」
「そっかぁ...。」
アリシアもただならぬ事情がある事を察し、それ以上は聞かなかった。
「それで、優ちゃんに対する気持ちを聞いてアリシアちゃんはどうしたいの?」
「どうしたいか...んー、特には決めてなかったけど...。」
一通り話を聞いて、アリシアはどうしようかと考える。
「...ま、ここは女の子らしく恋バナとでも行こうよ!」
「好きな人が被っている上で恋バナって....。」
本来ならそれぞれが好きな男の子について語るのが恋バナである。
それなのに、四人も好きな人が被っているのはきついと、アリサは呟く。
「どこがカッコよかったーとか、ここが良い!ってトコを話し合うだけだよ?」
「それでも一人を対象はどうかと思うわ。」
「なんかそれ、アイドルのファンみたいね。」
どの道恋バナらしくないと椿とアリサは言う。
「ぶー、じゃあどうするのさー。」
「なんで恋バナ限定なのよ...。」
「でも、優ちゃんの良い所を挙げてみるのも、優ちゃんの為人を見直すみたいで、別にいいんじゃない?」
ついでに欠点も見つけられれば、それを補うのもいいかもしれない。
そう葵が意見し、皆がそれに賛成する。
「優輝の事でぱっと思いつくとすれば...。」
「優しい、面倒見がいい、家事万能、戦闘で強い、他にも様々な事に精通している。...あれ?何この凄い優良物件。」
「け、欠点がないぐらいに凄いわね...。」
なぜあまりモテているという話を聞かないのか不思議な程だった。
なお、そういう話がない原因は神夜の魅了のせいである。
好意を寄せる相手がいない時に魅了され、優輝の“良さ”が隠れていたのだ。
「欠点がないって訳じゃないわよ。」
「あー...。」
「...?優輝君にもどこかダメな所が...?」
椿の言葉に、葵とアリシアが納得したように声を漏らし、すずかが疑問に思う。
確かに、日常的な所を見れば欠点はないに等しいだろう。
だが、“それ以外”を見れば、一つの欠点が浮かんでくる。
「...優輝さん、いつも無茶をするわ。例え、どんなに絶望的な状況でも、どんなに傷ついても...。諦めが悪いとも言うわ。」
「...そういえば、以前私たちが誘拐された時も、その時はまだ魔法を使えないのに緋雪ちゃんの暴走を止めてたっけ...?」
「どんなに言っても改善しようとしないわ。」
「“諦め
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