第3章:再会、繋がる絆
閑話9「恋」
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んな感情的に...。」
「ねぇ、誰か私の心配して!?」
顔を上気させ、奏は何とも言えないような顔でアリシアを睨む。
珍しい奏の表情に、アリサがふとそう呟き、心配されてない事にアリシアは涙目になる。
「くぅ、アリシア...大丈夫?」
「く、くーちゃん...!あなただけは私を心配してくれるんだね...!」
人化し、へたり込んだアリシアを立たせる久遠が心配してくれて、アリシアは感極まる。
ちなみに、言葉にしていないだけで、皆一応アリシアを心配はしていた。
「あ、そういえばくーちゃんはどうなのかな?」
「同席させたって事は、久遠ちゃんにも聞くの?」
人化した事で、思い出したように葵とすずかがアリシアに聞く。
「あ、そうだったね。ねぇ、くーちゃん。」
「何...?」
「くーちゃんは優輝の事、どう思ってるの?」
奏も落ち着き、改めるようにアリシアが久遠に聞く。
「優輝...?...んー....。」
「(かわいい...。)」
可愛らしく首を傾げる姿に、アリシアは思わずそんな事を考える。
その間にどう思っているのか分かったのか、久遠が口を開く。
「....好き...?」
「えっ!?」
「っ...!」
「あー...。」
呟かれた言葉に、司と奏が敏感に反応してしまう。
しかし、同じく反応しそうな椿は歯切れが悪そうな反応だった。
「...?どうしたの椿?」
「いえ、久遠の“好き”って言うのはね...。」
「あっ、そっか...。」
しばらく神社で交流があったが故の椿の反応に、司も気づく。
「え?なに?どういうこと?」
「まぁ、聞けばわかる事よ。」
戸惑うアリシアを他所に、椿は久遠に寄る。
「じゃあ久遠。他に那美とか、恭也はどう思っているかしら?後私たちも。」
「....?皆好き...だけど?」
「...ね?」
「あー....。」
つまり、親愛や友愛と言った形での“好き”だったのだ。
久遠は純粋すぎるため、異性としての“好き”がまだ理解しきれていなかった。
「うーん...くーちゃんにはまだ早かったのかなぁ...。」
「...そうでもないわよ。」
久遠には恋愛事が早かったのかと、アリシアが溜め息を吐く。
しかし、それを否定するように椿が言う。
「少なくとも久遠は一回、人を愛した事があるわ。」
「えええっ!?」
“好きになった”どころか、“愛した”と言う事実にアリシアが驚く。
「久遠には“夢移し”という力があってね。傍にいる人の記憶を他人に見せる事ができるみたいなの。それで、久遠の過去が夢として出てきたのよ。」
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