第一話 夢の世界その十一
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「とにかく今からな」
「国家元首さんに会うか」
「そうするで」
あらためてこう話してだ、そしてだった。
中里は芥川にとりわけ大きな社の前に案内された、とはいってもその奥にはまるで御殿の様な社が見える。中里は奥のその奥も見て言った。
「あの奥のめちゃでかい社が」
「わかるか、やっぱり」
「天照大神の社やな」
「そや、この神社つうかほんま大社やな」
「主神みたいなものか」
「そうなる」
「ここは伊勢神宮やねんな」
天照大神の立ち場からだ、中里はこう考えた。
「となると」
「まあそやな」
「やっぱりそうか」
「まあうちの国家元首さんは天皇陛下とちゃうけどな」
「陛下は神様でか」
「筆頭巫女やな」
「巫女?」
「そや、巫女や」
それだというのだ。
「神事の最高司祭で政治の最高責任者で軍事もな」
「最高責任者か」
「そうなる、とはいっても第一は神事や」
こちらになるというのだ。
「巫女さんはな、バチカンで言うローマ教皇や」
「そうした立ち場の人か」
「そやで」
「そう言われるとわかった、ほな社の中にやな」
「その娘がおるで」
「ほな今から会わせてもらうか」
「予言するわ」
芥川はまた笑った、今度の笑みは悪戯っ子が悪戯が実現する前の笑みだった。その笑みでこう言ったのだ。
「自分驚くで」
「その娘に会ってか」
「意外な再会やな」
「こっちの世界でか」
「そや、今からな」
「ほな驚いたるわ」
中里も笑って返した。
「その娘に会ってな」
「その域や、ほな入るで」
社にとだ、芥川は中里に言ってだった。彼を社の中にも案内した。
社の中も木製で神社の中そのものだった、中には巫女や神官達がいてだった。その奥に。
白の古事記や日本書紀で女神、それも相当に位の高いまさに天照大神の様な女神が着る様な全身を覆った服を着て金や銀の装飾も着けた少女がいた。黄金の髪飾りが黒髪に映えている。
その少女を見て実際にだった、中里は驚いて言った。
「まさかな」
「私もそう思ったで」
少女の方もこう言った。
「ほんまに」
「まさかな」
苦笑いでだ、中里はその少女紫綾乃を見て言った。
「自分もおるなんて」
「中里君が来てるなんて」
「ほんま思わんかったわ」
「お互いにな」
「とりあえず今から神事やるけど」
芥川が二人の横から言ってきた。
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