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夢幻水滸伝
第一話 夢の世界その七
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 鳥のせせらぎが聞こえ木の下にある草も見える。
 そうした周りを確認してだ、中里は次に時分の今の身なりを確認した。身体を見回してみると。
 赤い具足、戦国時代の大名達が身に着けていた様な具足を着ていた。肩も脛もしっかり固定されていて足は草履だ。腰には二振りの大小の刀がある。
 白い服は戦袴に着物だ、その服を見て思った。
「日本かいな」
「おお、自分もこっち来たんかいな」
 聞き慣れた声がしてきた、そしてだった。
 声の方に顔を向けると芥川がいた、ただ今の彼は普段の彼ではなかった。
 黒い忍者装束を着ている、とはいっても顔と頭ははっきりと出ていて頭には黒い長い鉢巻をしている。背中には刀を背負っていて忍者装束の下には鎖帷子が見える。
「それもその服装かいな」
「?こっちって何や。しかもその服は」
「話せば長くなる」
 芥川は微笑んでだ、中里にこう言った。
「それでも話してええか」
「ああ、何で僕こんな格好してこんなところにおんねん」
「ここは夢の世界の」
「夢の?」
「寝たら行く世界なんや」
 中里の方に来て話した。
「ここはな」
「夢のかいな」
「大体戦国時代辺りの日本みたいなとこでな」
「そやからこんな格好かいな」
「僕等はそれぞれ侍やら忍者やら巫女になって暮らしてるんや」
「成程なあ」
「そんで僕は忍者なんや」
 芥川は自分を指差して笑ってこうも言った。
「この通りな」
「忍者部やからか」
「そうかもな。そんでな」
「ああ、僕は剣道部やからか」
「そうかもな、そんで僕はここでは神捷星や」
「何やその神何とか星って」
「こっちの世界に来た人間がそれぞれ持ってる星で大きく分けて四つあってな」
 芥川は中里にこの世界のそのことも話した。
「それぞれの星を一つずつ持ってるんや」
「四つのうちでか」
「上から神、天、地、人があって一番上が神で十八人おるらしい」
「じゃあ自分一番偉いんやな」
「星ではな。それで十八人は日本以外の国にもよおさんおって他の星もや」
「天、地、人もか」
「ちなみにその三つは七十二人ずつおる」
 中里に話しつつだ、芥川は。
 彼をある場所に案内していった、二人で山道を進みつつの会話だった。
「やっぱり世界のあちこちにな」
「七十人ずつでか」
「おるらしい、勿論日本でもな」
「成程なあ」
「しかもその星の持ち主がそれぞれ国やら持って互いに争ってるねん」
「そこは僕等の世界でも一緒やな」
 中里はその話を聞いても驚かずこう言った。
「残念なこっちゃ」
「そやな、そんでこの世界を統一出来たら何かあるらしい」
「そしてその何かを目指してやな」
「世界のあちこちでドンパチやってるんや」
「何処でも一緒やな」
 中里は芥川の話をここまで聞いてだ
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