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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十一話 トラブルメーカー達
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ました、私の隣でバグダッシュ少佐がニヤニヤして私を見ています。

「お嬢さん、そんなミエミエの挑発に乗ってはいけないな」
「……」
別な男の人が声をかけてきました。

ヴァレンシュタイン少佐から少し離れた場所で武器の搬入を見ていた男性です。グレーがかったブラウンの髪をしています。長身で彫りの深い顔立ちですが何処か不敵で不遜……、ちょっと不良っぽい感じに見えました。

「ヴァレンシュタイン少佐、その女性は貴官に止めて欲しそうだ」
その男性が皮肉な笑みを浮かべて少佐に声をかけました。別に止めて欲しかったわけじゃありません! ただもう少し反応が有ってもいいと思ったんです! 間違わないでください!

「シェーンコップ中佐、私はミハマ中尉の保護者ではありません、被保護者でもない……」
ちょっとそれどういう意味です? 私だって少佐みたいな保護者なんて要りませんし被保護者も要りません。第一もう少し言いようが有るでしょう。ところでシェーンコップ中佐? 知り合い? でもシェーンコップ中佐も驚いてる……。

「高名な少佐が小官をご存知とは光栄ですな」
「……」
「地上戦の装備が多いようだが、果たして地上戦が起きますかな? 艦隊がわざわざ地上に降りるとは思えませんが」

シェーンコップ中佐が皮肉な笑みを浮かべてヴァレンシュタイン少佐を見ています。挑発しているのかもしれません。でもヴァレンシュタイン少佐は気にした様子も無く武器の搬入を見ています。

無視されたシェーンコップ中佐はどうするだろう、気になって中佐を見ました。その時中佐の紋章が見えました、この人、ローゼンリッターです!

ローゼンリッターは同盟軍において、帝国からの亡命者の子弟で構成されている連隊の名称です。同盟最強の白兵戦部隊であり、その戦闘能力は1個連隊で1個師団に匹敵すると言われる程。

しかし問題も多く有ります、戦闘中に敵と味方を取替え、帝国軍に寝返った者もいるのです。歴代連隊長十一名のうち、三名は帝国軍との戦闘で死亡、二名は将官に昇進した後退役、あとの六名は同盟を裏切り帝国へ逆亡命……。実力はあっても何処か危険視され迫害される……、ローゼンリッターとはそんな部隊です。

もしかすると中佐には少佐への反発があるのかもしれません。中佐はローゼンリッターとして周囲から危険視される存在。一方の少佐は英雄として軍上層部から評価される存在。面白くないと思っても不思議ではありません。

武器の搬入を見ていた少佐が視線をシェーンコップ中佐に向け問いかけました。
「私を挑発するのは楽しいですか、シェーンコップ中佐?」
「結構楽しいですな」
シェーンコップ中佐が笑みを浮かべながら答えました。

その瞬間です、ヴァレンシュタイン少佐が薄っすらと笑みを浮かべました。何処
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