暁 〜小説投稿サイト〜
オズのアン王女
第七幕その九
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「恵梨香ももう知ってるわね」
「今は」
「そうなの、じっくり煮込むと」
「お肉は、ですね」
「脂が落ちるの、アイスバインはそうしているから」
 だからというのです。
「柔らかくなってるしね」
「あっさりもしているんですね」
「そうなの」
 お話しつつです、アンはそのアイスバインを食べています。そして食べながら笑顔でこんなことも言うのでした。
「やっぱりウーガブーのお料理は美味しいわ」
「そう言って頂いて何よりです」
 その場に控えていたシェフの人が笑顔で応えました。
「私共も」
「食べるとほっとするわ」
「そして帰って来たとですね」
「思えるわ」
 こうもというのです。
「本当にね」
「ではどんどん召し上がって下さい」
「そうさせてもらうわ、ただ」
「ただとは」
「お腹一杯食べると」
 アンはアイスバインに添えてあるザワークラフトも食べています、そのうえで言うのでした。
「眠くなるかもね」
「それは少し我慢して下さい」
 メイドさんがアンに言いました。
「夜までは」
「お風呂に入ってお話をして」
「それまではです」
「そうね、じゃあ十時までは」
「せめて起きておいて下さい」
「冒険の時は八時か九時に寝てたわ」
「その時はその時です」
 あくまで、というのです。
「ですから」
「宮殿ではなのね」
「十時位までは」
「わかったわ、じゃあ努力して起きておくわ」
「やるべきことも多いですし」
「そうね、王女として」
 ウーガブーの国の主としてです。
「起きておくわ」
「それでは」
「ええ、お腹一杯食べてもね」
「コーヒーはどうですか?」
 ジョージが提案しました。
「飲むと目が覚めますと」
「濃いお茶もいいです」
 神宝はこちらを勧めました。
「寝ない為には」
「そういうのを飲んだら」
 カルロスも言います。
「起きられますね」
「そうされますか?」
 ナターシャはコーヒーでもお茶でもというのでした。
「後で」
「いえ、林檎をもう一個食べるわ」
 これがアンの返事でした。
「そうするわ」
「あれっ、林檎ですか?」
「コーヒーやお茶じゃなくて」
「林檎ですか」
「林檎を召し上がられるんですか」
「林檎を食べるとね」 
 そうすればとです、アンは自分の大好物についてにこにことお話します。
「目が覚めるのよ」
「そういえば何か」
 恵梨香も言われて気付きました。
「朝に林檎を食べると目が覚めます」
「そうでしょ、林檎にはそうした効果もあるのよ」
「そういえばアン王女いつもお食事の後は」
 ジョージはまた言いました。
「しゃきっとしておられますね」
「林檎を食べているからよ」
「成程」
「だから林檎をもう一個余計に食べるわ」
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ