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二本足の大根
第二章
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踊ってるんですか」
「そうだな。さて」
「さてといいますと」
「とりあえず悪ガキ共は警察送りだ」
 このことは第一だった。博士は白衣から自分の携帯を取り出してそのうえで警察に連絡をした。これで悪ガキ達の運命は決まった。
 このことはあっさりと決めてからだ。ジェトーリオにまた言ったのだ。今度言うことは。
「これで私の生み出した野菜達の素晴しさがわかったな」
「これからは盗人も退治できる野菜ですか」
「当然果物もだ。これもまた農業の革命だぞ」
「確かに。不心得者は何処にもいますからね」
「しかしそうした不心得者はこれからは野菜や果物達が成敗する」 
 例え深夜に盗みに来てもだ。それでもだというのだ。
「畑は平和になるぞ。鴉や猿も怖くないぞ」
 博士はジェトーリオに笑顔で言うのだった。その周りでは今も大根達がダンスを踊っている。二本足で楽しげに踊る彼等に加わってキャベツや胡瓜が飛び牛蒡やジャガイモが畑からニョキニョキと出て来る。実に賑やかな畑だった。
 博士の生み出したこの動く農作物達はそのまま納品に向かいしかも盗人や害獣、害鳥を撃退する素晴しい農作物になった。この農作物により人類の農業はさらに発展した。だがジェトーリオはその農作物達、特に大根を見ながら博士に言うのだった。
「何時見ても不思議な光景ですね。農作物が動くというのは」
「何、慣れればそうでもなくなる」
 博士は笑ってこう返すだけだった。何はともあれ二本足の大根達は農業に革命をもたらした。このことが紛れもない事実である。


二本足の大根   完


                   2012・5・26
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