ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3-β.戦慄と混沌のピンク鎮守府
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に佇み続ける沈黙の守護者……あなたなら、私を助けてくれるかも……!!
砲台子鬼さんは、私の叫びを微動だにせず……というか元々あまり動く方ではないけれど……ジッと私の叫びを聞いてくれた。そして……
『……』
「キヤァアアア?」
『……!!!』(ぱちんっ)
「コワイカッ!?」
私の肩に乗り、頬ずりすることで私の乙女心を蹂躙し続ける天龍二世さんに対し、BB弾で砲撃してくれた。被弾した天龍二世さんはBB弾が痛いのか、私の肩からパランスを崩して床に落っこち、そしてコロンと床の上で一回転して仰向けの大の字になっていた。
「砲台子鬼さん!!」
『……』
なんと頼もしい……私の願いを聞き届けてくれた砲台子鬼さんは、今はその体中のモールドから誇らしげに圧力を抜き、そして静かに私を見守ってくれている。
以前私は、砲台子鬼さんのことを『端的に言ってキモい』などと失礼なことを言ってしまっていた。だが今、それを訂正する。彼は……砲台子鬼さんは、この鎮守府のピンク色の空間にも飲まれない鋼の精神力を持ち、寡黙で余計な言葉を発さず、そしてなによりも、その温かい眼差しで私のことを見守っている……
「砲台子鬼さん……」
『……』
「私は、あなたのことを……誤解していました」
その、頼もしいお姿を拝見する。戦闘……それも砲撃戦に特化されたその身体は極限まで無駄を省いた、まさに機能美の極致。そしてそこから覗く、温かい眼差し……そして寸分の狂いのない砲撃の腕前……砲撃に特化するためすべてを棄てた、優しき紳士……
「私は……」
『……』
「あなたに守っていただくために、艦娘になったのかもしれません……砲台子鬼さん……」
私の身体が、自然と彼との距離をつめていく。私の身体が、彼とのふれあいを求めている。あの砲塔に触れたい。彼の丸い身体を優しく撫でたい……そして、もしも彼が許してくれるのなら、彼と……ケッコ
『……!!!』(ぱちん)
「あだっ!?」
不意に砲台子鬼さんのBB弾がおでこにヒットし、その痛みで私は我に返った。
「私は今……」
『……』
「一体……何を……?」
「キヤァアアア?」
危なかった……この鎮守府を襲うピンク色は、すでに私の心のかなり深い部分まで侵食しているようだ。もし砲台子鬼さんの砲撃を食らわなかったら、私は迷わず提督の机の中にあるであろう、大淀さんへのケッコン指輪を砲台子鬼さんに進呈して、彼? 彼女? とのケッコンカッコカリを強行していたことだろう……
「ほ、砲台子鬼さん……」
『……』
「感謝します。おかげで、我を取り戻しました」
『……』
しかし、なんという頼もしさ……このピンク色の空間において、自分が囚われないだけでなく、侵食が進みつつ
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