暁 〜小説投稿サイト〜
テキはトモダチ
ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3-β.戦慄と混沌のピンク鎮守府
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に手をつないでいる二人だが……なんか二人とも顔が赤い。そして瞳がうるうるしている。

「え、えーと……電さん……?」
「はいなのです?」
「し、集積地さんも……」
「? どうした?」
「えーと……お二人は、中で……何を?」

 聞きたくない……聞きたくないけど、それと同じぐらい、さっきのプロポーズの結果がすんごい気になる。私の意識は『聞くなッ!』という声と『聞け!!』という相反する欲望が葛藤しているが、私の口はそれを無視して、つい二人に確認してしまった……。

 私の問いを受けた二人は、急に俯いた後、そぉーっと互いの様子を伺い……

「……!」
「……!」

 目が合った途端、急に恥ずかしそうにそっぽを向いて、

「「今は……ひ、秘密だ……」なのです……」

 と声を揃えてポソポソと答えていた。うわー……これは集積地さんきっと、さばくことが出来なかったんだなー……いや、本人さばく気もなかったんだろうなー……。よく見たら、二人の頭から湯気が出てるもんなー……そして湯気に負けないぐらいたくさんのハートが、二人の頭からぽやんぽやんいくつも浮かび上がってるもんなー……

「集積地さん……」
「イナズマ……」

 かと思えば、今度はお互い手をギュッと握りしめて、うるうるした瞳で見つめ合いはじめた。……アカン。これはアカンで。そら私も龍驤さんバリのエセ関西弁を、心の中で口走るでぇ。

 不意に、ちょんちょんと私の袴の裾が引っ張られる感触があった。よく見たら、私の足元からハートがふわふわと浮かんできて、私の顔ぐらいの高さのところでパチンとはじけている。なんだこれは。見たくない……でも確認しなきゃ……薄目を開けた状態で、私は自分の足元を確認してみた。

「……天龍二世さん!?」
「コワイカ……」

 足元にいたのは天龍二世さん。私の袴の裾を小さい手でちょんっとつまみ、くいくいっと引っ張っている。私の気のせいだと思いたいが、顔が少し赤くなってる気がする。まさか天龍二世さん……

「あなたもこの魅惑の異空間に囚われたのですか!?」
「……」

 ……アカン。アカンで。みんながこのマリッジ・ピンクに染まりつつあるでぇ。天龍二世さんはさっきまで私の裾をちょっとだけつまんでいただけなのに、今は甘えるように私の足に抱きついて、頬を寄せている……おかしい。そもそも天龍二世さんは、天龍さんとすでに夫婦になっているはずだ。……いやそもそもそれ自体がすでにおかしいのだが。

「あらあら……かわいい私の弟子も、ついに天龍二世さんのお嫁に行く時が……」

 やめて下さい鳳翔さん!! 既成事実にするつもりですかッ!!

 そらぁ確かに天龍二世さんは、ともに『あなたと空を駆け抜けたくて大作戦』を頑張った一航戦の仲間です
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