ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3-β.戦慄と混沌のピンク鎮守府
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かなぁ……。いやちょっと待て。なんでこんなこと考えてるんだ私は。
「えーと……鳳翔さん」
「はい?」
「提督たちは今日、夕方まで出かけるそうです」
「あら。では四人とも晩ご飯はお外ですか?」
「いえ、こちらで食べるとか」
「わかりました。ではお帰りになるまで、四人の分は取っておきますか」
「お願いします。特にロドニーさんと戦艦棲姫さんの分は確実に……」
「あのお二人はたくさん食べてくれますからね……ニヤニヤ」
煮えたぎってきた頭を冷静にしたくて、私は改めて鳳翔さんに提督たちの外出の件を伝えた。鳳翔さん、なんだかほっぺた赤くして、ニマニマしてるなぁ……いくら鎮守府のオカンといっても、やっぱり鳳翔さんも女の子だということか……
「えーと……赤城はそのことを伝えに来てくれたんですか?」
「ええ。いささか妙な現場に出くわしてしまいましたけど……」
「純愛ですよねー……」
はい。わかりました。間違ってるのは私です。私でもういいです。
「提督たちの外出の件は承知しました。わざわざ伝えに来てくれてありがとう赤城」
「いえ……」
「真面目で任務に対し誠実……そんなあなたが、私は好きですよ?」
「はぁ……?」
まぁ弟子として、戦闘の師匠に愛されるのは素直にうれしいけれど……いちいち言われなくても、鳳翔さんの愛情には気付いてますよ? と私が口を挟もうとしたら、鳳翔さんは突然ハッと口を押さえたあと、顔を真っ赤っかにして両手をぱたぱたわちゃわちゃと上下に振り始めた。なんだか心の内をポロっとこぼしてしまいパニックになってしまった、女子中学生のような……。
「あ、いやあの、別にそういう意味ではないですよ赤城?」
「はい?」
「い、電さんの純情さにあてられたとか、そうではなくて、弟子とか、教え子とか、そういう……」
「……分かってますよ?」
「あ、そ、そうですか……それなら……」
なんでそこでちょっと残念そうにしょんぼりしてるんですか鳳翔さんッ! あなた私の師匠なんですから、もうちょっとしっかりして下さいッ!!
一体どうした? なんだこの食堂を包み込む魅惑のマリッジ・ピンクは? ケッコンカッコカリ指輪の存在が、皆にそうさせているのか? 電さんと集積地さんはいずれそうなりそうだったから別にいいとして……いやよくないけれど……まさか鳳翔さんの頭さえ魅惑のマリッジ・ピンクに染まりつつあるのか?
こうやって私が混乱していると、唐突にガラガラっと食堂入り口のドアが開いた。
「ひゃいッ!?」
つい変な声を出してしまった私と鳳翔さんを、開いたドアの向こう側から、電さんと集積地さんが見ていた。
「あれ? 赤城さんと鳳翔さん……いたのです?」
「え、ええ……」
いつものよう
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