ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3-β.戦慄と混沌のピンク鎮守府
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はないんですよ?」
「まぁ当然の業務ですから」
「んー……」
「それに砲台さんって、見慣れると意外とかわいいですよ?」
「そそ。意外とね」
まさかこの二人がここまで砲台子鬼さんに慣れ親しむとは……ペット感覚なのか?砲台子鬼さんを見ると、相変わらず一定のリズムでBB弾をぱちんぱちんと射出している。……でも、普通ペットってBB弾を撒き散らしたりはしないよなぁ……?
「大淀、ありがと」
「いえいえ」
提督のねぎらいを受けた大淀さんは、ちょっとうれしそうな顔を浮かべながら掃除道具を片付け、そのまま自身の席へと戻った。提督と大淀さんの二人の仲が良いのはいいんだが……その中に砲台子鬼さんがいるのがなんとも違和感がある。
「ところで大淀」
「はい?」
『……!! ……!!!』(ぱちんぱちん)
「あとで少し出かけなきゃいけなくなった。突然で申し訳ないけど、準備しておいてくれる?」
「了解しました」
「あと砲台子鬼、そろそろ砲撃をストップしようか」
……何だこの光景……大淀さんも砲台子鬼さんに慣れている……砲台子鬼さんは砲台子鬼さんで、提督の指示を的確に守り、砲撃をやめ、いまはモールドから余計な圧力を抜いて、待機体勢にはいったようだ。ぷしゅーっという音とともに、砲台子鬼さんの身体の各部分から、勢い良く蒸気が噴出されている。
「ところで提督」
「んー? どしたー大淀」
「今日の外出ですが……」
「護衛の二人には伝えてる」
「了解です」
話によると、二人はこの後すぐに外出する用が出来たそうで。帰りは夜になるそうな。晩ご飯には間に合わないが、食事は鎮守府で食べるらしい。
あと、考えてみると当たり前だが、砲台子鬼さんはお留守番だそうだ。護衛にロドニーさんと戦艦棲姫さんもいるし、砲台子鬼さんは執務室を守る最後の砦だからか。
「そんなわけで砲台子鬼。留守番頼むよ?」
『……』
「お前さんは、貴重な鎮守府の守りの要だ。執務室のこと、頼んだよ?」
提督はそう言いながら砲台子鬼さんの頭を鞘しく撫でていた。私からは何も聞こえないし、何も感じはしないが、ひょっとすると、提督と大淀さんは、砲台子鬼さんからの何かしらの意思表示を感じることができているのかも……
「提督。鎮守府のみんなは、このことは知っているんですか?」
「外出のこと? 突然のことだったから、他に知ってる奴はいないと思うよ?」
ならば、皆には伝えておいたほうがいいのかもしれない。しかも外出はこのあとすぐだから、提督が伝える暇はないはずだ。ならば私から皆に伝えておいたほうが良さそうだ。
「なんでしたら、私からみんなに伝えておきましょうか?」
「そうね。お願いできる?」
「承知しました」
「あいー。よろしくー」
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