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テキはトモダチ
ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3-β.戦慄と混沌のピンク鎮守府
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あった私のことも助けてくれるとは……。いや、私だけでない。

「こ、コワイカ〜……」
「天龍二世さん……」
「?」
「し、正気に戻りましたか……よかった……」

 先ほど砲台子鬼さんに砲撃された天龍二世さんも、我を取り戻したようで、立ち上がった天龍二世さんが再び私の袴にしがみついて頬ずりすることはなかった。

 恐るべし砲台子鬼さん……まさにこの鎮守府の守護神……。

『……』

 今もモールドから水蒸気を発し、余計な圧力を抜いている砲台子鬼さん。まさかこんなにも強い方だとは思ってなかった。いずれ手合わせをお願いしてみたい気もするが、それはまた別の話。今は……彼の庇護の元、なんとかこの時間を耐えぬくしかすべはない。

「砲台子鬼さん」
『……』
「申し訳ありませんが、ここであなたとともに、しばらくいさせてください」
『……』
「でなくては、私と天龍二世さんだけでは、きっとあのピンク色に囚われてしまう」
『……』

 ……返事がないのが不安だが、砲撃してこないということは、少なくとも拒絶はされてないということだろう。私は砲台子鬼さんの好意に甘えて、しばしこの場で籠城することに決めた。執務室の外にいると、きっと私は誰かに求婚してしまう。

 いっそのこと、砲台子鬼さんと共に鎮守府内を駆け、みんなを正気に戻すか……いやいや、そうして鎮守府内をうろついているうちに私たちがピンク色の瘴気に囚われ、再び砲台子鬼さんにプロポーズしてしまうかもしれない……それよりは、ここでこうやって、提督がやってくるまでじっと籠城していたほうがいい。

 そうして、私と天龍二世さん、そして砲台子鬼さんの三人による、執務室籠城戦が幕を開けた。提督と大淀さんたちが戻ってくるまで、私たちはこの場で、なんとしても生き延びます!!

「砲台さん! 天龍二世さん!!」
『……!!』
「絶対に……絶対に生き延びますよ!!!」
「コワイカッ!!!」

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