ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3-β.戦慄と混沌のピンク鎮守府
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うん。天龍二世さんと戦艦棲姫さんの心の声は置いておいて……みんな大淀さんのため……というよりは、やっぱり色恋沙汰は気になりますよね。
青葉さんは青葉さんで、演習には付き合わない代わりに、新しいカメラや機材の準備に大忙しだと聞いた。なんでも、ケッコンのその瞬間を、最高の機材で切り取りたいとか言っていた。先日、彼女の部屋を覗いたら、新しいデジカメだけでなくビデオカメラやテカテカした板、こうもり傘にライトを取り付けたような照明など、よくわからないものがたくさん増えていた。
――なんせこの鎮守府のケッコンカッコカリ第一候補ですからね!!
まぁ青葉さんが色めき立つ気持ちもわかりますしね……。
そうこうしているうちに執務室に到着する。相変わらずヒビが入ったドアを軽くノックし、中の提督の返事を待った。
「とんとん。提督、入室していいですか?」
「赤城か。いいよー入ってー。大淀もいる?」
「はい」
「りょうかーい」
提督の許可も受けたし、ドアを開くべく、私はしずしずとドアノブに手をかけた。
――俺達は天龍夫妻……
フフ……コワイカ?
ドアノブを握った時に聞こえる天龍組ボイスが何やらおかしなことになっている。これもケッコンカッコカリ指輪が届いたことで、皆が色めきだっている証拠なのだろうか……あまり考えないようにしつつ、私はドアノブを回し、ドアを開けた。
執務室では、あの砲台子鬼さんがいつものごとく、天井に向かってパチンパチンとBB弾を射出している。
『……!! ……!!!』(ぱちんぱちん)
「……提督」
「おー赤城。大淀も待ってたよ」
「砲台子鬼さんは……何を?」
「上に青葉がいるんだよ」
私は天井を見た。なんだか天井から冷や汗が垂れているような……そんな雰囲気だ……。
――……。
しかし、毎度ながらよくこれを見抜くなあ提督と砲台さんは。
「あなたたちはどうして青葉さんの潜伏に気づくんですか……?」
「まぁ俺は昔、人間関係のるつぼにいたしね」
『……!! ……!!!』(ぱちんぱちん)
意味が全く分かりません……。大淀さんに目をやると、彼女は執務室の片隅に移動し、そそくさとほうきとちりとりを持ってきて、床に散らばるBB弾を慣れた手つきで掃除し始めた。手際がよくて、なんだかBB弾の処理業務が常日頃発生しているような……そんな感じだ。
「大淀さん?」
「はい?」
「いつもそうやってBB弾を片付けてるんですか?」
「最近は多いですね」
大淀さんは任務娘なのに……彼女はBB弾を掃除するためにこの鎮守府に赴任してきたわけじゃないんですよ提督……。
「いやじゃないんですか? 大淀さんはBB弾を掃除するためにここにいるわけで
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