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ソードアート・オンライン-ゲーム嫌いの少女冒険譚-
アインクラッド編
未来へ
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起こった。まるで勢いよく物を壊すような激しい音。今まで感じたことのない地響きが聞こえた。
「ちょっと……何なのよ……今の音は!」
「あー、多分ここが崩れる音じゃない? アンタが居るのも異常だしここも元々は試験用に構築された場所だったし。もうここの耐えられる負荷じゃ無くなったってワケ。 まぁ、アタシはデータだから後で幾らでも
再構築
(
なおせる
)
から良いけどアンタはニンゲンなんでしょ? このままだと現実の体が『死んじゃう』じゃない?」
思わず出た『死』という言葉に背筋がヒヤッとする。この
仮想体
(
アバター
)
を使っているとはいえ、此処での
結果
(
けつまつ
)
は現実に帰依する。この世界が現実と繋がっていることを思い出させる。
「此処が崩れる? 現実の体が死ぬ? だから何よ! 今の私はこの
世界
(
ゲーム
)
にある! プレイヤーが私なら決めるのも私! だったら此処が崩れる前にエリゼを倒してここから生きて出るまでよ!」
私は自分の心を奮い立たせるように叫んだ。今までここに来るまで本当に色々な事があった。この世界に初めて来たときの事、何も分からなかった私を導いた
師
(
せんせい
)
に出会った事、ボス戦に挑み階層を一つ一つ乗り越えてきたこと。これらの事全てが昨日のように覚えている。そうした経験を積んできたから分かる。「選ぶのは何時だって自分」だと。
「良いから構えなさい。ここに居るのは私一人だけれども、
戦友
(
とも
)
から受け取った大切なカタナ(ちから)がある。そのカタナには、仲間の願い(おもい)が込められている。だから私は立ち止まらないし、この先で待っている仲間の為に前に進む!」
私は珍しくも、カタナを鞘から抜いていた。普段からカタナは鞘に仕舞い、カウンターとして繰り出す居合抜きにほぼ集中する形を取っていたが、今は違う。過去から変わり、文字通りに斬り開く。その力が、この手にはある。
カタナを引き抜いてからの私とエリゼの戦いは、表現するならば単調と言えば単調であり、緻密であったと言えば緻密であった。エリゼのコンパクトに振るう大鎌の攻撃を、受け流すようにして切り払う。切り払うことによって出来た隙に対してしっかりと確定反撃を入れていく。言葉にするならばたったこれだけのことだが、相手の攻撃を確実に回避ないし防御し続け、こちらの行動に応じて変化する相手の行動パターンに自分を適応させることの難しさ、そしてボス部屋の崩壊が迫るという時間制限の中、それが完璧に遂行することが出来る人がどの程度いるのかと言われたら、決して多くはないだろう。単純なことを正確にこなすのは中々に難しいのである。この一進一退というか、エリゼの行動に対応して反撃をする行動は、彼女に焦りが見えるまで続いた。
「どうして……どうしてアンタはアタシの攻撃をただ受けとめてそれ
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