プリムラの花
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「...ラフレシアが、崩れていく。」
爆発の花があちらこちらに咲いていく。ロッドが爆発しているようだ。
{シーブック!無事か?}
突然軍の回線で無線が入ってくる。ドワイトの声だ。
{ドワイト?一体何処に?}
{下だよ下!}
{下?}
下には、潜水艇がハッチを開き、待っていた。甲板には、リィズ、お袋、ドワイト、ドロシー達が居た。
「皆!」
「「「シーブック...!」」」
海面まで高度を下げ、前部装甲を開き、潜水艇に飛び乗る。
「そうだ...皆、セシリーは?」
みんな口を閉ざす。重苦しい空気の中、ドワイトが口を開く。
「...ブルーティアーズの反応は消えてる。シーブック、セシリアは...もう......」
「そ...んな、そんな事ってあるのかよ...セシリー...」
pi、pi、pi
「「お袋?(お母ちゃん?)」」
お袋が、F91のバイオコンピューターをいじり始めた。
「何してるんだよ、お袋?」
「あなた専用にフィッティングしてるのよ...ニュータイプ能力で人を探すなんて無茶なことだけど...」
「...ありがとう。」
「行きなさい、シーブック。私に出来る事はここまでよ。」
「シーブック!セシリア連れてこねぇと、どうなるか、わかってるよな!」
「お兄ちゃん、頑張って!」
「シーブック、あんたなら出来るわよ!」
「皆...」
セシリーを探し、海の上を彷徨ってかなり時間が経った。
「花...?」
{どうしたの、お兄ちゃん?}
{...あれはセシリーの花なんだ!」
{セシリアさんの...花?}
{そうだよ、セシリーに決まってるじゃないか!}
F91の足から下に手を伸ばし、花を掴む。
プリムラの花...セシリーのブーケの花だ。
1枚のプリムラの花弁が、風で舞い上がり、空へ飛んでいく...
それを目で追うと...青い装甲が波の狭間に浮いているのが見えた。
「セシリー!」
青い装甲を抱き上げる。
フェイス部分をパージして、顔に近づく。
「...セシリー!」
...
「................シー..ブック?」
セシリーの瞳が見える。
「...セシリー!」
「シーブック...世界は、人間という生物の身勝手さえなければ・・・」
「きっと天国だったんだよな...」
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