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フロンティアを駆け抜けて
総力戦! 絆が繋ぐ勝利
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「無駄だぜ、『花吹雪』!」

 キュウコンが9つのうち4つの尾から攻撃力を下げる炎を放つ。しかしそれが届くよりも早くラランテスの出した花びらの幕がキュウコンの体を叩き、今度こそ倒れさせた。ジェムはすぐにボールに戻してやる。コントロールする主を失った『鬼火』はふわふわとその場に滞空した。それを見てゴコウは少し苦言を呈する。

「勝ちてぇのはわかるが、無茶させるのは感心しないぜ」
「ううん、ラティが交代する前『願い事』を使ってくれたからさっきの技を受ける前に体力は回復してた……だからぎりぎりだけどまだ頑張れたの」
「そうか、なら心置きなく最後の一匹同士勝負ができるな」

 そう、お互いに最後の1匹、ジェムはメガラティアス、ゴコウはラランテス。一見そう思える。

「違うわゴコウさん。最後の一匹なんかじゃない……これは、私たちの総力戦よ。ゴコウさんの花札ポケモンが皆の力を合わせて『雨死降』や『五光』を使ってるみたいに……私も、私の仲間たちみんなと一緒に戦う! そのために、お願いラティ!」
「ひゅうううん!」

 三度ラティアスがフィールドに現れる。ここまで戦えたのも、ジェムの仲間たちみんなが勝利への想いを繋いでくれたおかげだ。その証が、今フィールドに操る主がいなくなったのにまだ残っている鬼火に現れている。このフィールドに残る炎こそが、ジェムが母親から教わったキュウコンの本当の力、昔まだポケモンバトルをしていたころ、サファイアをサポートするために編み出した仲間を強くする炎。

「感じる……感じるよ。みんなの優しい思念と、お母様が教えてくれた私への苦しい気持ちが……今私とラティの心に響いてる。それぞれ想いは違っても、今一つになってる」

 ジェムの雫を象った髪飾りが光り、重なり合う想いと絆がメガラティアスとシンクロする。キュウコンの残した鬼火が火の輪となって広がり、メガラティアスがその中を通り飛翔する。メガラティアスの紫色の体が、メガシンカを維持したまま本来の紅色よりも激しい紅蓮になる。

「なるほどな、それが嬢ちゃんの答えか……なら儂ら全員と嬢ちゃん全員の力、どっちが上かはっきりさせようぜ! 最後の最後のとっておきを見せてやる!!」
「しゃらんら〜!!」

 ラランテスの体が一際多めに周り、光り輝く。草タイプのZ技の力も合わせて放つ『五光』は更に回転を加えたことで5条の『ソーラーブレード』がさらに大きくなって飛んでいく。一方メガラティアスは4つの火の輪を抜け、燃え盛る心を現すように真っ赤に染まった『思念の頭突き』を放つ。


「いっけえラティ! 『灼熱のベステイドバット』!!」
「桜に幕、『五光』!!」


 お互いの仲間全員の力が籠った一撃がぶつかり合う。光の剣が一つずつメガラ
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