暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
総力戦! 絆が繋ぐ勝利
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ろいだゴコウを見て、ジェムは心の底化からほっとする。もし後者だった場合、今の行動は完全に無駄だったからだ。それならまだキュウコンの『日本晴れ』に託したほうがましだっただろう。だけど結果としてジェムは賭けに勝った。水タイプになったラティアスは、『雨死降』の効果を受けない。

「ク……カッーカッカッカ!! そうか、ギャンブルか! 嬢ちゃんもなかなかいける口だな! このバトルが終わったら嬢ちゃんにも花札を教えてやろうか?」
「教えてくれるのは嬉しいけど、お金を賭けるギャンブルは良くないってお母様が言ってたわ。だからごめんなさい」
「そうだな、今はそういう時代だ。ならなおさらこの勝負を楽しむしかねえな! 小野道風、『ハイパーボイス』!」
「ラティ、あなたと私の一番の力を見せてあげましょう! メガシンカ!!」

 ラティアスの紅い体が蒼い光に包まれ、紫色の身体となってパワーアップする。だがそれだけではゴコウによる『ハイパーボイス』には及ばない。一撃で決着をつけることが出来なければ、ジェムの指示さえ声にかき消されてせっかくつかんだ勝機も水泡に帰する。

(必ずこのチャンスをつかんでみせる……私を支えてくれる、みんなのために!!)

 ニョロトノの防御力は高い。『竜の波動』や『サイコキネシス』では倒しきれない。ジェムは、更なる運に賭ける。

「ラティ、あなたの強さを信じるわ! 『サイコウェーブ』!」
「ひゅううううん!!」

 この戦いでも苦しめられた、運によって威力が変化する技を放つ。ジェムとラティアスには当然運を操作するようなことは出来ないので、純粋な運頼みだ。そしてルナトーンのそれをもはるかに超える念波が発生し、ニョロトノの口へとぶつかった。

「げろおおおおおおおおおお〜……」

 鳴き続けようとする口がふさがれ、体がひっくり返る。手足をぴくぴくさせるニョロトノは、確実に戦闘不能になっていた。黒い雨が止み、雲も消えていく。

「やった……あのニョロトノを倒せたよ、ラティ!!」
 
 ジェムは嬉しくて飛び上がりたいくらいだった。それが、少なくとも二日前の自分を超えた証明になると思うから。

「ふ……本当に見事だぜ嬢ちゃん。だがまだ終わってねえってわかってるよな?」
「……うん」

 ニョロトノを花札型のモンスターボールに戻したゴコウの表情は、今までよりも真剣だった。それは残り一体になって本当に追い詰められたからか。それともジェムが本気を出すに値したからなのかわからない。でも、強さを認めてくれている気がした。


「花札ってのは札を集めて役をそろえる勝負。俺の花札ポケモン達もそれに応じる技を持ってるが『雨死降』はその中でも二番目に強い役だ。そして──今から揃うのが、正
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