暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティアを駆け抜けて
総力戦! 絆が繋ぐ勝利
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ガモスの炎の鱗粉を覆っていく。相殺され、炎をぶつかった水が霧となって立ち上る。

「おっと視界が……いや、これはあの時のか?」
「その通りだけど、それだけじゃないわ。あの時は使えなかった技……いくよラティ、『ミスティック・リウム』!」

 ラティアスの水によって発生した霧が、念力によって集まりウルガモスの体全体を覆う水球となる。水の中に閉じ込めて身動きを封じ、押しつぶすジェムとラティアスだけの必殺技。

「自分だけのオリジナル技を見つけてきたか。だが太陽の化身である桐に鳳凰を倒すにゃ水が少ねぇぜ! 『フレアドライブ』!」

 ウルガモスが水球の中から炎を発し、今度はウルガモス自身が火の玉となって水球を打ち破る。その勢いのまま、霧の向こうにいるラティアスに突進した。霧に覆われていれど、その輪郭ははっきりと見えている。ラティアスの輪郭とウルガモスの体が激突し――水風船を割ったような、水の弾ける音がした。

「ラティはね、『水遊び』が好きなの。暑い夏になるとルリとプールを作ってくれて、何度も水のかけっこをして遊んだわ」

 ラティアスの念力で霧が晴れていく。本物のラティアスは光を屈折させて姿を隠していた。そしてウルガモスがラティアスだと思って攻撃したものは――

「水で作った、分身ってわけかい……! いやはや、嬢ちゃんらしい華やかな遊びじゃねえか」
「ええ、ついでに熱かったし私もちょっと水を被ったわ」

 そういうジェムの髪や体は、ラティアスの水でかなり濡れていた。けれどジェムの表情に曇りはなく、むしろ冷たさを楽しむように笑っている。『波乗り』の際に自分の周りにも水を溜めていたのだろう。霧を発生させると同時に水の分身を作り、居場所を誤認させるとともにウルガモスに『水遊び』の効果を適用させたのだ。ウルガモスの炎の鱗粉は濡れ、体の炎が消える。

「これで止めよ、『竜の波動』!」
「ひゅあうん!!」

 ラティアスの瞳が光り、赤色の波動がまっすぐウルガモスを直撃する。炎を失った太陽になすすべはなく、地面に倒れ伏した。

「これで4体目……だがこっからは前の嬢ちゃんが越えられなかった領域よ! さあ越えられるもんなら越えてみな。カモン4枚目、小野道風!」
「げろぉ」
「ここは一旦ラティは戻って、お願いクー!」

 和傘を差した歌人の傍らに描かれた蛙たちの絵札から出てくるのは、ジェムに直接敗北を与えたニョロトノだった。ラティアスをメガシンカさせたのに、それでも勝てなかったときの悔しさをジェムは恐らく一生忘れることはないだろう。殿様のような威厳を持って現れたニョロトノが、天井に雲を出し雨を降らす。ニョロトノの『ハイパーボイス』はラティアスでも防ぎきれない。ならばここは下手にぶつけず、鋼タイ
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