第9話(白兎side):決着編
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でシルバーバックを倒すのに時間が掛かり過ぎる!!)
そう考えた僕は1つの賭けに出た。斬月による左斬上げを放つと同時に右足を軸足に体を一回転させ、『斬月』の柄に当たる持ち手に巻かれている晒を左手で掴み、回転の勢いを利用してシルバーバックの着地地点へと右手で『斬月』を勢いよく投げた。
大剣の投擲。一般的な武装なら装備を投げ捨てているだけだけど、斬月の場合は晒を使って手元に引き戻すことができるので、使い捨ての投擲武器にはならないと考えたんだ。
『斬月』の投擲はシルバーバックにとっても予想外の攻撃方法だったのか、シルバーバックは驚きの表情を浮かべ、そのまま足を地面に着けることなく胸の中心を『斬月』に貫かれ、消滅した。
「……やった?」
『斬月』を解放したことでシルバーバックを倒せる自信はあった。けど、シルバーバックとの戦いが自分にとって現実離れしていたこともあって、誰に尋ねる訳でも無く思わずそう口にしてしまった。
すると、手元に引き戻した『斬月』の刀身が僕の質問に対して答える様に一瞬だけ煌めき、次の瞬間には解放状態の大剣から封印状態のナイフへと姿を変えていた。
(ああ。僕は――僕達はシルバーバックを倒したんだ。これは夢じゃない。現実なんだ)
いつの間にか周囲の建物の窓が全て開いていて、建物内の住人が窓から身を乗り出して歓声を上げている。僕はその歓声に応える様に『斬月』を握っている右手を上げると、更に大きな歓声が上がった。
そして、僕は『斬月』を鞘に納めると少し離れた場所に座っている神様の所へと足早に向かった。この後、神様が寝不足で急に倒れて大騒ぎになったりするんだけど、それ以外には特に大きな問題が発生することもなく、漸く長い1日を終えることができた。
【視点:テレシア】
「勝って、しまいましたね。ベル様」
「そうやね。ベルやんの勝ちや」
「テレシア殿がベル殿に斬魄刀を渡していることにも驚いたが――」
「受け取ったその日の内に始解しちまうなんて、ベルには驚かされるじゃない」
私とアトゥイ、ルルティエの3人は食人花の討伐後に偶然合流したヤクトワルトとムネチカの2人と共に、闘技場から逃げ出した最後のモンスター――シルバーバックを追ってダイダロス通りに来ていました。
そして、私達の到着したのが丁度ベル君の『斬月』解放のタイミングだったこともあって、ベル君とヘスティア様がいる広場を一望できる建物の屋上へと瞬歩で移動し、今までベル君の戦いを見物していたという訳です。
「テレシア殿、テレシア殿はベル殿の秘められた力を把握していたが故に斬魄刀をベル殿に渡されたのですか?」
「いいえ。ムネチカ、私はベル君の力を把握なんてしていません」
「なら、なん
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