二章 追いつかない進化 - 飽食の町マーシア -
第20話 病?
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一番近い町』だった。滅ぶ間際にヤケクソで放った大魔王の魔法が生きているという噂だ」
「魔法、ですか……」
「そうだ。だが他の町から来た冒険者はその魔法がかかっていない。だから、よそ者の冒険者はこの町では重宝されるのさ」
そのような魔法はシドウの知識の中にはなかったが、シドウも得意分野以外はまったく詳しくない。信憑性がある話なのかどうか、よくわからなかった。
(シドウくん、ティアさん)
(はい?)
(なに? 小声で)
(私は世界有数の魔法使いです)
(それ何度も聞きましたよ?)
(そうよ。自称でしょ?)
(まあまあ。自称かどうかはおいときまして……断言しましょう。そんな魔法はこの世に存在しません=j
(えっ?)
そのとき、入り口の外のほうから、三人には聞き覚えのある声がした。
扉がガチャリと開く。
現れたのは、車椅子姿の町長だった。
入口に一番近いベッドから、寝ている人に話しかけ始める。
内容は「具合はどうですか?」などと、ケガを気遣うもののようだ。
シドウのところにも回ってきた。
「怪我をされたとお聞きしましたが、大丈夫ですか」
「あっ、大丈夫ですよ。わざわざすみません」
「今回はお手伝いいただきありがとうございました。お大事にしてくださいね」
町長はそう言うと、次のベッドに向かっていく。
それを三人でしばらく見つめていたが、一通り声をかけ終わると、町長はまた退室していった
「お見舞いのために来たのか……」
ポツリとそう漏らしたシドウに、先ほどの隣のベッドの中年冒険者が答える。
「いい町長だろう? いつもこうやって来てくれるのさ」
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