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昼休みに入り、弁当を持って相沢を訪ねる。
「ごめんね、相沢を呼べるかな」
しばらくして相沢がやって来た。
俺の手に持つ弁当をチラッと見て俺の顔を伺ってくる。
「昼ごはん、一緒にどう?」
「え、いいんですか?」
「うん。むしろ一緒に食べたいなって…思ったんだけど…////」
ダメだ、何か慣れない。
恥ずかしい。
慣れないことをするといつかボロが出そう。
「っ…嬉しいです、僕も一緒に食べたいと思ってました…////」
…んん、もう、やだぁ…可愛いよぉ…。
俺、本当はもうとっくに、相沢のこと好きなのかもしれない。
友達からって返事しちゃったし、いまさら素直に好きなんて言えないけど…。
「い、行こうか!俺のお気に入りの場所があってね。そこ、結構穴場なんだよ」
「穴場、ですか」
「うん。人があまり来なくて静かなとこなんだ。相沢もうるさいとこより、落ち着くとこの方がいいよね?」
「はい。玉木くんとゆっくりしたいです」
ううぅ…相沢は素直で直球だなぁ…恥ずかしいな…顔、きっと熱い。
話しながら歩いてるうちに穴場に着く。
旧校舎の非常階段に腰掛ける。
現在も旧校舎は使われている。
特別教室なんかは現役で使っている。
あとは空き教室で、部活の部室として使われていたりする。
「ここ、よく来てるんですか?」
「そうだね。一人でいたいときとかにここに来てたよ。だからね、相沢は特別」
「そ、そんなこと言わないでくださいっ///」
可愛いなぁ…耳も真っ赤。
抱きしめたいなぁ。
ダメかな。
何でこんなこと思うんだろう。
…色んな感情が初めて。
タチの人の気持ち、初めて理解出来たかもしれない。
「相沢…」
そっと引き寄せ、抱きしめてみた。
相沢の匂い…いい匂い。
相沢から流れる心音が心地いい。
相沢、いま、どんなこと思ってる?
どんな顔、してる?
俺と同じ?
少し離して相沢の顔を見る。
「相沢…」
「た、玉木くん…」
俺に答えるように震える声が相沢から出る。
顔が赤いね。
少し目に浮かんだ涙を俺はチロチロ舐めて取ってやる。
「た、玉木くんっ…や、やぁッ…」
「相沢」
頬に手を添え、そっと唇を合わせてキスする。
唇を離して見つめ合う。
キス、しちゃった…。
まだ好きって言ってないのに。
嫌だったかな…。
「うっ…」
え?
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