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「い、行こうか」
誘ったのはいいけど、さっきの不意打ちに頭が追いつかない。
近くの大型公園の敷地に入り、自販機で2本ジュースを買う。
「はい」
「どうも…」
適当に歩いて人があまり居ないエリアのベンチに座った。
それにならい相沢も隣に座る。
「僕、誰かと寄り道なんてしたことなかったです」
「ええ!?それ本当!?」
「はい。なんか、いいですね、こういうの」
「うん、いいよね!」
風が、強く吹いてすぎていった。
静かな場所で2人。
なんか、切ない。
「玉木くん…もしかして泣いますか?」
ビクッ
「え?」
目に手を当てて泣いてたことに気づく。
「ご、ごめん…何でもないんだ」
「…そんなことないですよね?玉木くんは傷ついてる。僕では力になれませんか」
「相沢?」
「玉木くん、泣いてください。もっと…」
そっと触れたかと思うとそのまま抱きしめられた。
うそ…。
「俺、穢れてるよ…?」
「どうして?玉木くんは綺麗ですよ」
離れようとしてもまた引き寄せて抱きしめられる。
何で、こんなに。
あったかいよ…。
「ああああああぁぁぁぁっ!!!」
叫んだ。
思いっきり叫んだら涙がどんどん溢れ出てきた。
俺、こんな弱かったっけ。
「落ち着きましたか?」
「あ…ごめん、みっともない姿を見せちゃったね」
「いいえ、それでいいんです。玉木くんでも弱るんだと分かってよかったです」
「…相沢、俺のこと、前から知ってたの?」
「…はい。ずっと見てました。会計のこと、ですよね。玉木くんを苦しめるのは」
「え」
血の気が引くってこういうことを言うんだ。
「玉木くん、僕にしませんか」
「えっと」
「好きです」
嘘…告白されてしまった。
でも、なんか、しっくりくる。
「すみません、言うつもりなかったんです。困らせてしまってすいません」
「いや、考えさせてよ」
いい機会だ。
ちゃんと人を好きになりたい。
「分かりました。今日はこれで失礼します」
あ。
去っていく後ろ姿を眺める。
あっさりと…。
「帰るか」
あいつから誘われていたことはすっかり忘れていた。
見た目からして、相沢はネコだよな…。
俺も、ネコなんだよな…。
どうしようかな。
いやいや、付き合うとか決まったわけじゃないし。
相沢は分かってるのかな、俺がネコってこと。
あいつとの関係を知ってるってことは分かってるってことだよね…。
相沢は俺とどうなりたいんだろう。
俺は相沢とどうしたいんだろう。
もう少し冷静になりたい。
誰かに話聞いてもらいたい。
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