第三十六話 葬儀その十三
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「彼等は」
「これからさらにです」
「恐ろしい脅威となるのね」
「そうです、ですから」
「彼等にもなのね」
「注意が必要かと」
こう言うのだった。
「私達は異教徒達とは離れていますが」
「それでもですね」
「あの国のことも」
「注意が必要です、しかし何といっても」
「はい、四国を統一し」
「私達の力を強めることね」
「それが第一です」
何といってもというのだ。
「そうなります、では」
「ええ、では」
「これからも」
「私達三人は力を合わせていきましょう」
是非にとだ、三人で話した。太子が乗っている船を見送ってだ。そして船が完全に水平線の彼方に消えて見えなくなった時に。
セーラとマリアは共にだ、マリーに問うた。
「お姉様、では」
「これからのことだけれど」
「お姉様もやはり」
「結婚を」
「はい、決まりました」
微笑んでだ、マリーは二人の問いに答えた。
「その日も」
「そうですか、では」
「その時にまた」
「来て下さい」
この国、二人にとっても祖国であるこの国にというのだ。
「是非。そしてお相手ですが」
「どなたですか」
「その方は」
「ノースブリッジ侯です」
彼だというのだ。
「あの方をです」
「夫に迎えられる」
「そうするのね」
「あの方なら」
「確かに」
「非常に立派な方です」
国内でも評判の者だ、理知的かつ視野が広く教養も豊かだ。しかも決断力にも富んでいる。
「新教徒でもあられるんで」
「だからこそですね」
「あの方にしたのね」
「そうです、長い間一人でしたが」
マリーはそうだった、もう晩婚と言っていい歳になっている。
「それも終わりです」
「遂にですね」
「そうなるのね」
「お姉様も伴侶を迎えられ」
「そうして」
「幸せにもなります」
伴侶を得てというのだ。
「そうなります、そしてさらに」
「お子をなして」
「そのうえで」
「王家を担う者達も育てていきます」
そうもするというのだ。
「エヴァンズ家は今は細くなりましたが」
「それをですね」
「太くしていくのね」
「三本の薔薇が一つになったのですから」
だからこそというのだ。
「是非共です」
「はい、では」
「これからは」
「そのことと共に」
薔薇を一つにしてというのだ。
「王家を太くし黒薔薇も」
「お姉様の薔薇も」
「これからは」
「一つになったのです」
三本の薔薇達と共にというのだ。
「そのことも心から喜んで」
「そうして」
「そのうえで」
「私達は進んでいくのですね」
「皆で」
「そうしていきましょう」
こう言うのだった、自身の婚姻のことを含めて。そうしてマリーは婚姻のことも進めていった。二人が帰ってか
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