第三十六話 葬儀その十
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「対することが出来ていましたが」
「今の領地では」
「どうしても」
「困難です、王国の内戦が終わりその力を我が国に向ければ」
「危ういですね」
「その場合は」
「この国から残る三国もです」
北の王国、島国、半島の三国もというのだ。
「それぞれです、この国を倒せば」
「各個に攻めていける」
「そうなるわね」
「四国は一蓮托生です、だからこそ一つになり」
「王国に対することもですね」
「大事ね」
「はい、四国の統一の一手をです」
これまで多くの手を打ちこれからもそうする、だがそのうちのというのだ。
「また打ちます」
「そしてそのうえで」
「一つの国としてまとまり」
「王国に対する」
「そうしていくのね」
「はい、王国の内戦の終わりも見えてきましたし」
教皇庁の助けも借りた王室がだ、諸侯達の軍勢を圧倒しだしてきているのだ。マリーはそこから趨勢を見て取ったのだ。
「ですから」
「我々もですね」
「統一に向けて」
「進めていきましょう」
是非にとだ、マリーは二人の従妹に述べた。
「私達三人も力を合わせ」
「では半島の国内はお任せ下さい」
「島国についても」
セーラとマリアは共にマリーに言った。
「必ずです」
「まとめるわ」
「そしてお姉様と歩調を合わせ」
「四国の統一を」
「していきましょう、それでは」
「はい、今からですね」
「お姉様の葬儀を」
それの用意を進めていこうとだ、二人はこのことにも応えた。そうして実際にだった。三人を中心としてだった。
葬儀の用意を進めてだ、遂に葬儀となった。マイラは棺の中で安らかに眠り三人はその彼女を見送った。
そしてだ、マイラの亡骸は棺に蓋がされたうえで王家の陵墓の中に葬られた。その全てが終わってからだった。
太子は自身の側近達に言った。
「では大使が来ればな」
「その時にですね」
「この国を去られますね」
「申次の後で」
「そうされますね」
「そうだ、その時船も用意される」
帝国に帰るそれがというのだ。
「だからな」
「はい、それでは」
「その船に乗り」
「そしてですね」
「この国を去りますか」
「そうしよう、その時が遂に来る」
この国を去るその時がというのだ。
「静かに去ろう、そしてだ」
「この国を去った後で」
「帝国の国政をですね」
「担われるのですね」
「皇帝の御許で」
「父上から文が来た」
その皇帝である彼からというのだ。
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