第三十六話 葬儀その八
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二人はマリーにだ、厳かな声で言った。
「やはりですね」
「私達が共にお姉様の葬儀に出ることも」
「これからのことに生きていきますね」
「四国の統一に」
「このことについて」
「まさに」
「はい、貴女達二人の国の王にです」
即ち彼女達の夫にというのだ。
「王は爵位を授けられます」
「大公ですね」
「それぞれの国の」
「そうです、そして王はご自身の弟君にもです」
その彼にもというのだ。
「爵位を授けられます」
「大公ですね」
「三国それぞれの」
「元々そうでしたがあらためて」
葬儀の後でというのだ。
「授けます」
「エヴァンズ家の分家に対して」
「そうするのね」
「幸い四つの国家は元は同じです」
家としてのルーツはだ、四国はそれぞれの王を戴いているが皆元は同じ王から生まれているのだ。そうした間柄なのだ。
「この国は長男の家でしたね」
「はい、北の王国は次男で」
「島国と半島はそれぞれ三男、四男」
「最初は下のお三方は公爵で」
「そこからはじまったわね」
「しかし三代後に内乱となり」
「今に至ったわね」
セーラもマリアも言う、彼女達の位まの国々のことを。
「四国に別れた」
「その様に」
「そうです、しかし何百年の時を経て」
その間四国は時には和し時には争ってきた。それぞれ常に合従連衡して身内同士でそうしてきたのである。
「再び一つになろうとしています」
「それならですね」
「これを機にして」
「そのうえで」
「一つに」
「そうです、なる為にです」
そう考えているからこそというのだ。
「大公家にです」
「それぞれですね」
「任じるのね」
「そうします、王の御名において」
この国、そして北の王国の王であるまだ幼い王の名においてというのだ。
「今は王でありますが」
「しかし大公である」
「その様に」
「この大公位は世襲となります」
島国、半島の今現在の王家達のというのだ。
「また北の王国も」
「王の弟君がおられますが」
「あの方がなのね」
「大公になられますか」
「あの国の」
「今私達の力は強いです」
島国、半島に比してだ。国の改革が進みそれだけ国力が高まっている。それは軍隊も同じだ。それに加えて北の王国も同じ王を戴いているからこの国の力も使えるからだ。
「だからです」
「若し大公位の授与に反発があろうとも」
「島国、半島に対して」
「しかしですね」
「抑えられるのね」
「はい」
それが出来るからだというのだ。
「既に貴女達がいて新教徒も増えています」
「逆に二国の旧教徒の力は弱まっている」
「それ故に」
「抑えられる」
「反発があろうとも」
「だからこそ授けます」
王から大公位をというのだ、これは
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