ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3.魅惑のプロポーズ
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てみたのだが……』
『集積地さん……電と集積地さんが出会って、もうだいぶ経つのです』
『そうだな。お前には感謝してるよ。深海棲艦の私と……友達になってくれて』
電さんと集積地さんのようだ。そこかしこに椅子はあるのに、なぜか食堂のど真ん中に立っている。集積地さんは電さんの方を向き、電さんはそんな集積地さんに背を向けて、窓の外を眺めて立っている。二人は一体何をしているのだろうか……
『お前と仲良くなれて本当によかった……』
『集積地さん……』
『これからも仲良くしてくれ。ずっと友達でいてくれ。イナズマ』
『電は……イヤなのです』
『え……』
電さんが集積地さんの方を振り向いた。真っ赤な顔で両手をギュッと握りしめて、何か固い決心を秘めた眼差しで集積地さんを見つめているのがよく分かった。まさかとは思うが……
『集積地さんと友達はもう……イヤなのですっ!』
『え……も、もう私とは、仲良くしてくれないの……か……?』
『違うのです! 集積地さんとは、もっと仲良くなりたいのです!!』
え……ちょっと待って下さい。これってまさか……
『しゅ、集積地さん!!』
『……!? は、ハイ!』
『電と……け、ケッコンしてほしいのですッ!!!』
電さん本気ですか……? いや相手が深海棲艦さんだから心配してるんじゃなくて、そもそもあなたも集積地さんも女性でしょうに。
『イナズマ……!!』
あなたもあなたで何憧れのバスケ部の先輩から告白された女子中学生みたいな顔して感激してるんですか集積地さん。あなたもう大人でしょ。そこは大人の余裕で電さんのプロポーズを受け流して下さいよ。両手で口押さえて涙目でうるうるしてるヒマがあるなら、早くそのプロポーズをうまく受け流して下さい。
「電さん、大胆ですね……」
「コワイカ……」
こっちの二人は二人で、ほっぺたを少し赤くしながら、電さんと集積地さんの行く末を見守っている。その様は、まるでかわいい後輩同士の告白を見守る、先輩OLのようだ……あ、いや、以外とその例えは例えになってない気が……
……おっと危ない。あまりに予想外な光景を目の当たりにして、本来の目的を忘れるところだった。
「えーと……鳳翔さん」
「ドキドキ……ぁあ、はい?」
「えと……提督から伝言です。今晩は外出する予定なので、夕食はいらないと」
「あ、そうなんですね。大淀さんや護衛の皆さんの分もですか?」
「ええ。あのお二人も外出されるというお話でしたよ?」
「うん。わかりました」
「後、電さんと集積地さんの二人にも、お伝え下さい」
食堂内の魅惑のプロポーズは、見なかったことにしよう……今見たことは、忘れるんだ……。
その後、食堂内の違和感しかないプロポーズ
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