ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3.魅惑のプロポーズ
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るように、少しだけ砲塔の角度を下げていた。
「だから機嫌なおしてちょうだいよ……」
『……』
……私は知らぬ間に、執務室と同じ作りの異空間に迷い込んでしまったようだ。提督が困った笑顔で砲台子鬼さんの砲塔を撫で、大淀さんがその光景を微笑ましく見つめる……困った。違和感しかない。
「て、提督!」
「ん?」
「わ、私はこれで、失礼します!!」
「あいー。みんなに外出の件、伝えておいてくれる?」
「し、承知しました!! 失礼します!」
「あいー。よろしくー」
耐えられない……この、違和感しかない魅惑の異世界から少しでも早く脱出したくなった私は、早々に提督に別れの挨拶を済ませ、そして急いで執務室を出る。
「な……何だったんでしょうか……?」
いや、何もクソも、単純にあの二人と砲台子鬼さんが仲良くなっただけなのだが……
「と、とりあえず外出の件をみんなに報告しないと……」
自分の理解の範疇を超えて起こっていた出来事から目をそらしたくて……私はとりあえず提督の外出の件をみんなに伝えるべく、行動を開始する。特にこの鎮守府の食堂責任者である鳳翔さんには、まず最初に伝えなくては……。
私は、まず最初に鳳翔さんにこのことを伝えるべく、食堂に向かうことにした。この時間なら、鳳翔さんがすでに晩ご飯の準備に勤しんでいるかも知れない。よしんばいないとしても、食堂ならそう遅くならないうちに、鳳翔さんの方から顔を出してくれる。ヘタに動きまわるよりは、食堂で待ち構えていた方がいいだろう。
……ところが、魅惑の異空間と化していたのは執務室だけではなく、食堂もだった。
食堂入り口に到着した私を待ち受けていたのは……
「あ、鳳翔さんと、天龍二世さんじゃないですか」
「ああ、赤城」
「コワイカ……」
食堂入り口の扉を閉め、その隙間から食堂内部をジッと覗き見る、鳳翔さんと天龍二世さんだった。
「……鳳翔さん、何やってるんですか?」
「シッ……赤城、今食堂に入ってはいけません……」
「?」
「コワイカ……」
「静かに……」
鳳翔さんは、頭にはてなマークが浮かんでいる私に対し、自分の人差し指を口にあて、シーッと言って音を立てるのを禁じた。その後、至極真剣な表情で振り返り、再び扉の隙間から食堂内を覗いている……
「……何なんですか?」
天龍二世さんだけでなく、鳳翔さんまでがそんな行動をしていたら気になる……私は提督お出かけのことを伝えることよりも、鳳翔さんと天龍二世さんが心奪われているものが何かが気になった。二人にならい、私も扉の隙間に顔を近づけ、中の様子を覗くことにする。
「んー?」
中にいるのは……
『どうしたイナズマ? 話があるというから来
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