ケッコン協奏曲 〜赤城〜
3.魅惑のプロポーズ
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が走り抜ける。
「提督……そもそも万年筆とか印鑑とかを装填させるために、ここに預けられたのではないと思いますが……」
「大丈夫だよ。こう見えて、ちゃんと執務室の安全を守ってくれてるし」
「はぁ……」
「多分、もうしばらく経てば……」
「?」
提督が、死んだ魚の眼差しを砲台子鬼さんに向けた。しばらく微動だにしなかった砲大子鬼さんが、急にピコンと反応し、ギギギギと音を立てて、天井に砲塔を向ける。
「ほら」
「……?」
提督が得意気にそう言い、私を見下ろすように顎を上げた。その様子が鼻についたが、我慢して砲台子鬼さんを眺めていると……
『……!! ……!!!』(ぱちんぱちん)
いつぞや天龍さんを狙撃したように、砲台子鬼さんは天井に向かってBB弾を打ち始めた。
「提督、これは?」
「上に青葉がいるんだよ」
私はつられて天井を見た。
――……。
言われてみると、天井から人の気配を感じないこともないが……よくこれを見抜くなあ提督と砲台さんは。
「あなたたちはどうして青葉さんの潜伏に気づくんですか……?」
「まぁ俺は昔、人間関係のるつぼにいたしね」
『……!! ……!!!』(ぱちんぱちん)
意味が全く分かりません……。それはそうと、ここまで砲台子鬼さんと提督が仲良くなっていて……大淀さんは気分を害さないのだろうか?
「大淀さん?」
「はい?」
「いいんですか? なんだか砲台子鬼さんが提督の秘書みたいなことになってますよ?」
「私もよくボールペンとか出してもらってますし」
あなたまで砲台子鬼さんに馴染んでいたんですか……!?
「い、いつの間に……ッ!!」
「それに、見慣れると意外とかわいいですよ?」
「そそ。意外とね」
まさかこの二人がここまで砲台子鬼さんに慣れ親しむとは……ペット感覚なのか?
砲台子鬼さんを見ると、相変わらず一定のリズムでBB弾をぱちんぱちんと射出している。大淀さんが執務室の片隅からほうきとちりとりを持ってきて、床に散らばるBB弾を掃除し始めた。手際がよくて、なんだかBB弾の処理に慣れている感じだ。
「大淀、ありがと」
「いえいえ」
提督と大淀さんの二人が仲が良いのはいいんだが……その中に砲台子鬼さんがいるのがなんとも違和感がある。
「ところで大淀」
「はい?」
『……!! ……!!!』(ぱちんぱちん)
「あとで少し出かけなきゃいけなくなった。突然で申し訳ないけど、準備しておいてくれる?」
「了解しました。砲台さん。ボールペンと付箋を」
『……』(ぽこんぽこん)
「ありがとうございます」
……何だこの光景……大淀さんも砲台子鬼さんに慣れている……大淀さんは砲台子鬼さんから
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