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「おい、大丈夫か」
体を支えられて苦笑する。
「ごめん。俺、あまり体力なくて」
「気にすんな。お前は寝てろ、俺に付き合え」
それからは何も考えていなかった。
ただ、目の前の奴が夢中に抜き差しをくり返すのを眺めていた。
眠いな、この時間は。
数時間がたち、俺は目が覚めた。
寝ていたらしい。
「大丈夫ですか?」
不意に声をかけられ顔を上げた。
あ、と思った。
「君、風紀委員長の人」
「そうですけど。生徒会に報告に来たのにあなたが寝てたら困りますよ」
「ああ、ごめんね。ご用件は?」
「これを」
資料を渡される。
遅刻チェックと抜き打ちチェックの記録だ。
「毎度ありがとう。お疲れ様」
「こんな時間まで残ってたんですね。寝てましたけど仕事は終わってるんですか?」
「ん?そうだね、とっくにね。ごめんね、起こしてもらって。これから帰りかな?」
「はい」
「なら、どうかな?一緒に帰ろう。皆は先に帰っちゃったからね」
「あ、そうなんですか。ご一緒します」
相変わらず丁寧なもの言いだ。
彼は風紀委員長の相沢良介。
お堅い雰囲気に対して綺麗な見た目。
モテるだろうね。
「最近はどう?風紀の方は」
「そうですね。2年生がサボり気味ですね。仕事が成り立たないみたいです」
「2年生か。会長にも報告しておく」
「そこまでしなくてもいいですよ。僕が責任持って指導します」
「頼もしいね、よろしく」
〜〜〜♪
着信に気付き、電話に出る。
「はい」
『俺。いまから来い』
「分かった」
通話を切る。
…今日は行きたくないな。
さっきヤッたばっかりじゃん。
「電話…大丈夫なんですか?」
「え?うん、何でもない」
行ったって虚しいだけなんだ。
いつでも俺は性処理の道具で、俺のことは何も見てくれない。
俺はそれでもアンタが好きなのに。
「そうだ、せっかくだから寄り道しない?」
「え」
「俺、相沢くんとあまり話したことないよね。生徒会にはよく来るけど。だから仲良くなりないなって思ってたんだ!」
「で、でも…どこにっ」
「その様子だと付き合ってもいいんだね?じゃ、行こうっ!」
「そんな、強引っ!」
「…ダメなの?俺に付き合ってよ」
ハッとしたように顔を上げた相沢くんはまともに俺を見た。
え、なに…。
「いいえ、ダメじゃないです。付き合います」
微笑んだ、相沢は綺麗で。
カッコよくて。
「っ…!」
なんだっけ、これ。
あまり笑わない人がとてもいい笑顔で笑った。
なんだ、これ。
心臓が、揺れた気
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