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決して折れない絆の悪魔
白と竜
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いでいるが、衝撃によるダメージは百春の意識にストレスと疲れを焼き付けて行く。

「一夏兄!」
「うるせえんだよ、お前はぁああ!!!」

地面に這わせるように大剣の刃を置きそのまま地面を抉るように掬い上げる、その一撃は雪片を大きく弾き百春の手から離れさせた。

「しまったっ!!グッ!!」

思わず剣を目で追うがその隙が命取り、突然の衝撃に両腕が動かなくなる。何かと思えばアスタロトの背中から巨大な竜のような頭が腕に噛みつき動きを封じていた。

「な、なんだこれ!!?」

竜は食い込むように腕を拘束し横へと広げていく。両腕が一直線に開かされた百春は身動きが取れなくなった、どうにか動こうとしても目の前で大剣を振り上げているアスタロトの姿に言葉を失う。限界まで高く振り上げられたソードメイスは、今か今かと振り下ろされようとしている。

「思い、出して……一夏、」
「兄貴じゃねえっつってんだろ、織斑」

振り下ろされた剣は百春の肩を捉えながら地面へと叩き付けながら爆発にも近い衝撃を発しながら土砂を大量に巻き上げた。何も見えなくなる中唯、ブザーだけが現実を突きつけた。

『試合終了―――勝者、未来 一夏』

あの一撃で勝負は決したと、察した。煙が晴れて行くと土に塗れながら肩の装甲が粉砕されているISと気を失っている百春の姿があった。一夏は既に百春から大きく離れ出て来たピットへと戻るように歩いていた。

―――この日、これら以外の試合は行われなかった。
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