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決して折れない絆の悪魔
白と竜
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、俺はIS《アスタロト》だ、IS《俺》があいつを倒したいんだ。

「一夏兄……どうしてさ、何であんな奴らと一緒にいるのさ!?」
「あ"っ?」

ブザーの音と共に武器を構えようとする一夏に百春は声を上げた、そしてそれは彼の逆鱗に触れる言葉だった。

「どうして俺と千冬姉の所に帰って来てくれないのさ!!?昔みたいに一緒に暮らそうよ!!兄弟仲良く三人で!!あんな奴らと居る事なんてないよ!何か理由があったんでしょ!?いなきゃいけない理由が!!」

必死に呼びかける、あれは紛れもない自分の兄で千冬の弟。でもなんで自分の所に戻ってきてくれないのか解らない、あのずっと話したかったのに居なくて話せなかった、漸く話せると思ったら未来院という所に居て、同じところにいる奴は暴力的に卑怯者。あんな奴らの所にいる必要なんてない、だから戻ってきてほしいと心から叫ぶ。

「ねっ千冬姉にお願いして一緒に暮らそっがっ!!?!」

最後まで言葉を発する事無く百春の腹部にアスタロトの拳が突き刺さった。全身が装甲で覆われていて聞こえない筈の歯ぎしりが聞こえてくるようだった。突き刺さった拳はそのまま振り抜かれ百春は地面へと叩き付けられる。オープンチャンネルが開かれ周囲へと一夏の声が聞こえだすが激しい息遣いがただ聞こえてくる。

「黙って聞いてりゃふざけた事ぬかしやがって……学習能力ってもんがねえのか、あ"あ"っっ!!!?未来院を侮辱すんじゃねえってオルガに言われたばっかりじゃねえのか、ええっ!!!?」

表情こそ見えないが、声はドスが利きまくっている怒りの声。度重なる未来院への、家族への侮辱、もう我慢など出来ない。ミカが居たならば彼を抑える為に必死に怒りを抑えただろうがもう抑える事など無い、オルガもミカも言うだろう、あいつを潰せと。背中のバックパックが稼働し装備されていた武器が手渡された、大剣にも見えるメイスである。

「い、一夏兄……」
「俺はてめぇの兄貴じゃねえんだよ!!もういい、てめぇは此処で果てろッ!!」

勢いよく大剣を振り下ろしてくる一夏に対して百春必死に回避行動をとった、猛攻を仕掛けてくる一夏に対してはとにかくの逃げの一手を取り続けていた。

「何時まで、逃げられるかぁあああ!!」
「一夏兄……そんな……」

『おい百春何やってんだそこ怪我してるぞ?ほら手当てするから来いって』
『今日の晩ご飯何が良い?』
『テストで100点取ったお祝いだ!今日はご馳走だ!!』

思い起これば直ぐに出てくる一夏との思い出、優しくて暖かかった兄。だが今目の前にいるのは怒りに身を任せる悪魔の姿、あれは……違う、自分が大好きだった兄ではない……!そう思うと同時にISの最適化が終了しISが一次移行した、白。どこまで白い純白の機体、悪魔を討ち果たす騎士
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