暁 〜小説投稿サイト〜
決して折れない絆の悪魔
バルバトスと天使
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がら背負っていた武器を起動させた、左脇下から上がってくるそれをマニュピレータ越しに握り照準を付けて発射する。レーザーが弾かれた事で動揺しているのかセシリアは反応が遅れ直撃を受けた。対IS用滑腔砲、その一撃は大きく体勢を崩すほどの衝撃を齎す。

「こ、このわたくしに傷を……!!キャア!!」
「騒いでる暇あったら避けろよ」
「こ、このぉ!!!」

移動しながらどんどん打ち続ける三日月、遅れながらもセシリアも移動を開始しながらレーザー射撃を開始するが先程の動揺が残っているのか狙いが荒くなっており中々命中しない。三日月の射撃の腕前はそれほどではないが容赦無く頭部や心臓を狙っての射撃は激しい。

「如何して、何故攻撃が利きませんの!!?」
「威力無いからじゃないの」
「キィィィィィッッッ!!!」

通常のISの防御は機体を守るシールドエネルギーに依存している、それは身体を動かすのに邪魔な装甲を出来るだけ排除し柔軟性を上げる為にあるが逆にそれは防御性能を下げている事にある。だがバルバトスは全身特殊な装甲で覆っている、特殊装甲はSEを利用し瞬間的な衝撃に対して極めて高い耐性を有する為、射撃兵装では致命傷を与えるのは難しく、レーザー兵器などによる攻撃も装甲表面で拡散・反射させてしまう。

「もう容赦などしませんわ!!」

そう叫ぶとISから何かが飛んだ。周囲から新しい視線を感じた三日月は滑腔砲を背中に戻しつつ回避行動をとると真後ろからレーザーが襲い掛かって来た。そこには宙に浮きつつこちらに向かって銃口を向け続けている砲台があった。

「子機か……オールレンジって奴が出来るのか」
「恐れ戦くがいいですわ、このブルー・ティアーズの真の力に!!!」
「恐くないし、母さんに対処法叩き込まれてるし」

そう言いつつ右腕を左手で掴むような体勢を取ると背後へと腕を向けた、右腕の装甲が一部スライドするように展開しそこから銃口が露わになるとそこから銃弾が射出された。それは一直線にバルバトスの背後に陣取ろうとしたティアーズの一機に着弾し爆発させた。

「な、んですってぇ!?」
「まだまだ」

息も付かせぬまま三日月は周囲に斉射すると残った子機も纏めて叩き落してしまった。その光景はセシリアにとって悪夢でしかない、現実のものとは思えなかった。これがIS操縦の初心者!?熟練の操縦者ではないのですか!?と。

「あ、貴方本当にIS操縦の初心者なのですか!?」
「一応母さんに特訓付けて貰ってたからね、調整も兼ねて」
「あ、あ、貴方のお母様はいったい何者なのですか!!?」
「母さんは母さん、それだけ」

三日月は武器を取った、背中に背負っている武器の中でも最も大きい大型メイス。それを握り締めた三日月はそれを思いっきりセシリアへと投擲した。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ