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トシサダ戦国浪漫奇譚
第一章 天下統一編
第十四話 初陣
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とが出来たら目出度くお前も大身の身分になるぞ」

 俺は笑みを浮かべ柳生宗矩を見た。

「殿の役に立てるなら、その役目を謹んでお受けいたします」
「そうか。では雪と玄馬どちらかを手引きとして使う必要があるが大丈夫か」
「あの二人をですか」
「どちらでもいい。あの二人は韮山に土地勘があるはずだ。多分、韮山城にも足を運んだことがあるはずだ」
「では玄馬でお願いいたします」

 柳生宗矩は即答した。雪を信用していないようだ。俺は雪も玄馬も信用していない。だが、俺の計画の成功率を上げるには多少危険があろうとも二人を使う必要があると考えている。二人の主人である夏が俺の元に戻るまでの猶予は三日だ。既に日を跨いだ頃だろう。明日中に夏が戻らなければ二人を始末する必要がある。柳生宗矩への指示は明後日でいいな。

「又右衛門、分かっていると思うが」

 俺は腕組みし鉄砲組達の方に視線をやると、澄ました顔で柳生宗矩を横目で見ながら途中で言葉を切った。その先の言葉を柳生宗矩は理解したのか「承知しております」と囁くように返事した。玄馬が裏切れば始末しろと柳生宗矩に念押しした。
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