リフレッシュ
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もしれない。だからこそ……二人を再会させてやれなかったことが悔しい。傍にいたのに願いを叶えてやれなかったことが、とても辛い。僕はマキナを守ることができなかった……」
「ジャンゴ、彼女も戦士だ。志半ばで力尽きる事態もありうるとわかっていた。自分の意志で任務についたのだ。覚悟はできていたはずだ……」
「いや、そうじゃない。マキナは自分が戦わなければ皆が殺される、そう思い詰めていただけだ。本当なら彼女は戦場に立つべきではなかった。戦場で倒れる覚悟なんて持っていなかったはずだ。僕がもう少し―――」
「―――らしくないよ、お兄ちゃん」
気持ちが沈みかけた瞬間、サクラが声をかけてきた。彼女は真摯な目で、ジャンゴを見つめていた。
「フェンサリルに行く前に、マキナちゃんが私に言ってたよ。……反省も後悔するのも勝手だけど、過去の過ちをただ否定的に捉えて自分を責めるのはやめた方がいい。それは何も生みだしはしない、って」
「サクラ……」
「私だって他にやれたことは無かったのかという気持ちが、思い返すだけで際限なく湧き上がってくるよ。だけど、あの時の私達は自分にできる最善を尽くした。後悔なんてそりゃあいくらでもあるけど、だからこそ守り抜けたものをちゃんと見てほしい。今も生きていられる私達を、もっと頼ってほしい。……お兄ちゃんが私達を助けてくれたように、私達だってお兄ちゃんを助けたいの……」
「フッ、言われてしまったな、ジャンゴ。ああ、その通りだ……我らだって教主殿の恩に報いようとしている。傍にいたのなら、マキナも同じだと知っておるはずだ。むしろあやつの場合、我らよりずっと顕著だっただろう?」
そう言って苦笑するディアーチェの言葉に、ジャンゴはふと思う。どんな方法を選んだとしても、どうせ後悔は生まれる。だからその時は自分の心に従う方法を選べばいい。そうすればどんな後悔があっても納得して受け入れられるようになる。それが生きようとする意思につながる、と
そのことを口に出すとディアーチェは目を丸くしたが、次にお腹を抱えて笑い出した。
「くっはっはっはっ! ようやく思い出したか、戯けめ! そうだ、マキナは教主殿からそれを教えられ、そのように生きてきた。そして教主殿にそれを教えたのはジャンゴ、お前の心にある太陽だったはずだ!」
「ボクらの太陽……」
「そうだ。ジャンゴから教主殿、教主殿から我ら、そして我らから次の世代へと、それは受け継がれておる。もっと胸を張るがよい、義兄上殿!」
「え……!?」
「今まで黙っておったが……我らマテリアルズは戸籍上、教主殿の義妹となっておる。というか我らがそうしたのだ、目に見える確かな繋がりを求めた故に。そういう意味ではサクラ、貴様は家族としての境遇や立場が我らとほぼ同じと
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